三位

三位（さんみ、さんい）とは

三位は、日本の位階および神階における位の一つであり、複数の異なる制度で使用されてきました。特に、律令制および近現代の位階制においては、正三位と従三位の総称として用いられます。

諸王の位

壬申の乱に勝利し、天武天皇元年（672年）に即位した天武天皇は、翌天武天皇2年（673年）に臣下に与える冠位とは別に、皇子を除く皇族である王に対して、三位、四位などの位を授けました。この諸王の位がいつ制定されたかは、現在のところ明らかになっていません。

諸王三位として記録に残る人物としては、

麻績王（麻続王）
屋垣王
稚狭王
高坂王

などが挙げられます。

彼らの事績については、以下のような記録があります。

麻績王（麻続王）：天武天皇4年（675年）4月18日、罪を犯し因幡国へ流罪となりました。
屋垣王：天武天皇5年（676年）9月12日、筑紫大宰府を経て、土佐国へ流罪となりました。
稚狭王：天武天皇7年（678年）9月に亡くなりました。
高坂王：天武天皇12年（683年）6月6日に亡くなりました。

律令制の位

大宝律令以降の日本の律令制においては、位階は細かく分けられ、四位以下は正・従がそれぞれ上下に分割されましたが、三位以上は正位と従位の二つのみでした。また、三位以上の位階を持つ者は「貴」とされ、四位・五位の「通貴」とは区別されました。「貴」は、より高い身分と特権を意味し、政治的にも重要な地位を占めました。

近現代の位

近現代の位階制度においても、正三位と従三位は引き続き存在しました。明治時代以降の近代位階制においても、三位は重要な位階として位置づけられ、国家への功績があった人物などに授与されました。

関連項目

公卿

参考文献

小島憲之・直木孝次郎・西宮一民・蔵中進・毛利正守・校訂・訳『日本書紀』3（新編日本古典文学全集4）、小学館、1998年。

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