三俣町

三俣町（みつまたまち）

群馬県前橋市に位置する三俣町は、現在、三俣町一丁目から三丁目までで構成される地域です。郵便番号は371-0018が割り当てられており、2013年時点での計測では面積がおよそ0.79平方キロメートルとなっています。地形的には、広瀬川と桃ノ木川という二つの主要な河川に挟まれた広瀬川低地帯と呼ばれる平坦な土地に広がっています。

歴史

「三俣」という地名は非常に古くから存在しており、記録によれば既に南北朝時代にはその名が見られます。例えば、応安6年（1373年）に作成された『長楽寺文書』に含まれる大胡秀重の請文の中には、「大胡郷三俣村」としてこの地名が確認できます。このことから、少なくとも14世紀後半には地域名として定着していたことがわかります。

近世においては、天正18年（1590年）8月に平岩親吉が前橋城主となった際に、三俣村はその領地の一部となりました。以降、江戸時代を通じて、この地域は前橋藩の支配下に置かれ続けました。

近代に入り、明治22年（1889年）4月1日に町村制が施行されると、三俣村は周辺の村々と合併し、新しい自治体の一部となりました。具体的には、上泉村、江木村、堤村、亀泉村、堀之下村、石関村、東片貝村、西片貝村、幸塚村、上沖之郷、下沖之郷、荻窪村といった12の村と共に合併し、南勢多郡桂萱村の一部を形成しました。その後、明治29年（1896年）4月1日の郡統合（南勢多郡と東群馬郡の統合）に伴い、桂萱村は勢多郡に所属が変更されました。

地域にとって重要な交通インフラが整備されたのは昭和時代です。昭和3年（1928年）11月10日には上毛電気鉄道上毛線の中央前橋駅から西桐生駅までの区間が開業し、これに合わせて三俣の地に三俣停留所（現在の三俣駅）が開設されました。これは、地域の交通利便性を大きく向上させる出来事でした。

行政区画の変更も度々行われました。昭和26年（1951年）4月1日には、桂萱村の区域の一部が前橋市東町（現在の前橋市日吉町）へ編入されるという境界線の変更が実施されました。そして、昭和29年（1954年）4月1日には、戦後日本の市町村合併の流れの中で、桂萱村は上川淵村、下川淵村、芳賀村、東村、元総社村、総社町といった周辺の1町5村と共に前橋市へと編入されることとなり、これ以降、「前橋市三俣町」として位置づけられることになります。

三俣停留所についても変遷がありました。昭和31年（1956年）8月25日、この停留所は西桐生駅方面へ約300メートル移設されました。同時に、停車場へと昇格したため、現在の名称である「三俣駅」となりました。

さらに、昭和52年（1977年）には町内で住居表示が実施されました。この時、三俣町の一部区域が西片貝町一丁目および西片貝町二丁目に変更されました。また、既存の三俣町の区域に加え、幸塚町、下沖町、上沖町といった隣接する町域の一部を取り込む形で、新たに三俣町一丁目、三俣町二丁目、三俣町三丁目が設定されました。この住居表示の完了をもって、それまで存在していた丁目番号のない「三俣町」は消滅しました。

地名の由来

「三俣」という地名の由来については、かつてこの地域に古利根川が流れていた時代に、その川筋が三つに分かれていたことに起因するという説が伝えられています。

交通

町内を通過する鉄道として、上毛電気鉄道上毛線が利用可能であり、地域内に三俣駅が設置されています。主要な道路としては、群馬県道3号前橋大間々桐生線が町域を通り、また東部バイパスも整備されています。国道は町内には通っていません。バス路線についても運行されています。

主な施設

三俣町内には、公共交通の要である上毛電気鉄道上毛線の三俣駅があります。また、郵便サービスを提供する前橋三俣郵便局があり、この局は昭和41年（1966年）5月16日に開設されました。鎮守の森に囲まれた三俣神社も所在しており、この神社は一度明治41年（1908年）に横山町の小石神社に合祀されましたが、昭和19年（1944年）に現在の地へ再び遷宮されたという経緯を持っています。

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