三八城神社

三八城神社：八戸の歴史を今に伝える鎮守の杜

三八城神社は、青森県八戸市内丸の三八城公園内に位置する神社です。この地は、かつて八戸藩の居城、八戸城の本丸があった場所であり、歴史的な背景を持つ場所です。

神社の成り立ち

明治時代初期、廃藩置県によって八戸城の建物が取り壊された後、その跡地に神社が創建されました。1878年（明治11年）に創立の許可を得て、旧藩士たちからの寄進によって、灯篭や手水舎、獅子などが奉納され、同年8月には盛大な正遷宮の儀式が執り行われました。

祭神

三八城神社は、以下の三柱を祀っています。

南部直房公：八戸藩の初代藩主
新羅三郎義光公：甲斐源氏の祖
南部光行公：南部氏の祖

特に、南部直房公は八戸藩の基礎を築いた人物として、地元の人々から深く敬愛されています。大祭日は8月6日であり、多くの参拝客で賑わいます。

社殿の変遷

創建当初、社殿は旧城内御殿の「御玄関」に拝殿が建てられました。その後、社殿は西側へ移築され、現在の社殿の位置は、旧城内御殿の「奥御居間」の付近にあたるとされています。神社の場所からも、城との深い関わりを感じ取ることができます。

社名の由来

「三八城」という社名は、三戸郡の「三」、八戸城の「八」、「城」を組み合わせたものと解釈されています。この名前からも、地域の歴史と城への想いが込められていることがわかります。

三八城公園との関係

三八城神社が鎮座する三八城公園は、市民の憩いの場として親しまれています。公園内には、神社の他にも歴史的な遺構や自然が残されており、散策を楽しむことができます。神社と公園が一体となり、八戸の歴史と文化を伝えています。

地域との繋がり

三八城神社は、地域の人々にとって心のよりどころとしての役割を果たしています。例祭や年中行事には多くの人が参加し、親睦を深めています。また、地域文化の継承にも貢献しており、伝統芸能の奉納なども行われています。

郷土史家・野田健次郎

三八城神社の宮司を務めた野田健次郎は、郷土史家としても知られています。地域の歴史研究に尽力し、多くの資料を収集・整理しました。その功績は、八戸の歴史を後世に伝える上で非常に重要なものとなっています。

まとめ

三八城神社は、八戸の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。八戸を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。静寂な境内に身を置けば、きっと歴史の重みと、地域の温かさを感じることができるでしょう。

参考文献
楠美鐵二（1981）「青森県百科事典」東奥日報社

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