三共 (製薬会社)

三共株式会社：日本の医薬品メーカーの歴史

三共株式会社は、かつて存在した日本の医薬品メーカーであり、第一勧銀グループ・みずほグループに所属していました。本社は東京都中央区日本橋本町に位置し、「CARE & CURE（ケアー&キュアー）で人と向き合う」をスローガンとしていました。

創業と初期の事業展開

1899年、塩原又策により匿名合資会社三共商店として設立されました。当初は、高峰譲吉が開発したジアスターゼの独占販売権を取得し、「タカヂアスターゼ」として輸入販売を開始しました。「三共」という社名は、創業者である塩原又策と、西村庄太郎、福井源次郎の三人が共同出資したことに由来します。

1900年代に入ると、アドレナリンの独占販売契約を結び、パーク・デービス社の総代理店を開設するなど、事業を拡大しました。1905年には箱崎工場を開設し、製薬業に進出しました。

製薬業への本格参入と多角化

1908年には品川工場を開設し、脚気の特効薬オリザニンなどを開発し、輸入薬の国産化を進めました。1913年には株式会社に改組し、初代社長に高峰譲吉を迎えました。1921年には、日本初の合成農薬であるクロルピクリンの製造を開始しました。

戦前には、農薬事業やベークライト事業、自動車販売代理店など、多角化戦略を展開しました。フォード・モデルTの輸入販売や、ハーレーダビッドソンの輸入販売を行い、その後国産オートバイ「陸王号」を開発・製造しました。

第一製薬との経営統合、そして現在

2005年、第一製薬と持株会社方式で経営統合し、第一三共株式会社を設立しました。2007年には、第一製薬ともども第一三共に吸収合併され、完全統合しました。

主な製品

三共株式会社は、数々の医薬品を開発・販売しました。代表的な製品としては、以下のものがあります。

医療用医薬品：オルメテック、カルブロック、セレナール、タカヂアスターゼ、バナン、ベプリコール、メバロチン、リバロ、ルネトロン、ロキソニン
一般用医薬品：新三共胃腸薬、ルル、リゲイン

関連企業

三共株式会社は、多くのグループ企業を有していました。主なグループ企業としては、和光堂株式会社、日本乳化剤株式会社、安倍川製紙株式会社、三共アグロ株式会社、三共ライフテック株式会社などがありました。

提供番組

三共株式会社は、数多くのテレビ・ラジオ番組に提供していました。主な提供番組としては、金曜劇場（フジテレビ）、ニュースJAPAN（フジテレビ）、TBS火曜8時枠の連続ドラマ（TBS）、NNN JUST NEWS（日本テレビ）、開運!なんでも鑑定団（テレビ東京）などがありました。

三共株式会社は、日本の医薬品業界において重要な役割を果たし、数々の革新的な医薬品を開発・販売することで、日本の医療に大きく貢献しました。その歴史と実績は、現在の第一三共株式会社に引き継がれています。

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