三十槌橋

三十槌橋（みそつちばし）

三十槌橋は、埼玉県秩父市の大滝地区に位置する道路橋であり、荒川に架かっています。この橋は、荒川本流で最も上流に架けられている車道橋で、地域のハイキングコースや生活道路として利用されています。また、近くには有名な三十槌の氷柱が存在し、冬には多くの観光客が訪れます。

橋の概要

三十槌橋は荒川の河口から147.5 kmの地点にあり、橋は三十場地区の重要な交通手段となっています。橋は三峰山の北麓にあり、三峯神社や三峰公園への登山道としても機能している市道の永久橋です。上流にある入川橋や埼玉県道278号、秩父湖大橋を除いて、右岸と左岸を直接結ぶ最も上流の車両通行可能な橋です。

この橋の本体は、長さ48メートル、幅2.2メートルの3径間の永久橋で、右岸側が鋼鈑桁、左岸側の2径間がコンクリート桁で構成されています。橋には車止めが設置されておらず、通行規制も行われていません。ただし、幅が狭いため、交互に通行する必要があります。歩道や路側帯はなく、鉄製の高欄が設置されています。

橋脚には、水流圧を軽減するために鋭角の水制工が施されています。公共交通機関による便は設定されていませんが、近隣に国道140号の「三十場」停留所があります。周囲は山地で急傾斜地となっているため、取り付け道路は斜面に沿って急激にカーブしています。

橋の歴史

三十槌橋の架設時期は明確ではありませんが、国土地理院の明治43年の測図や大正2年の地形図には、現在の位置とほぼ同じ場所に橋の地図記号が存在することから、明治末期にはすでに架かっていた可能性があります。現在の橋は1965年に建設され、最初は大滝村の管理下にあった村道の橋でしたが、2005年の合併により秩父市の管理となりました。

周辺環境

三十槌橋は、上流には三峯神社があり、秩父多摩甲斐国立公園内にある特別地域に近接しています。橋付近は約1億年前の四万十帯の地層があり、その地形はV字型の深い谷間となっています。周囲には、山肌に集落が点在し、自然豊かな環境が広がっています。

さらに、1963年には縄文時代中期の「三十場遺跡」が発見され、土器や石器が出土しています。また、橋の近くでは、国土交通省が水質測定を行う地点にも指定されています。冬季には、崖から湧き出る水が氷結し「三十槌の氷柱」となり、多くの観光客が冬の「大滝氷まつり」に訪れる姿が見られます。

まとめ

三十槌橋は、その美しい自然環境と歴史的背景を持つ魅力的な場所です。周辺の観光スポットやハイキングコースのアクセスとして、地域の人々や観光客にとって重要な役割を果たしています。また、四季折々の風景が楽しめるため、訪れる価値のあるスポットとなっています。

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