三吉致高

三吉 致高（みよし むねたか）

三吉致高は、戦国時代に活躍した武将で、備後国三次郡に位置する比叡尾山城を本拠とする三吉氏の当主です。彼は、初めは山名氏、次に大内氏、さらに尼子氏に従い、最終的には毛利氏の忠臣として知られています。彼の父は三吉豊高であり、豊高からその名の一部を受け継ぎ、致高と名乗りました。

生涯の主要な出来事

致高の生涯は、数々の戦いと同盟関係に彩られています。永正5年（1508年）、彼は大内義興に従い上洛し、政治的な関与を深めました。永正10年（1513年）の石見二ツ山城の戦いでは、高橋元光を討つという戦果を上げ、名を馳せます。また、その後の戦いでも彼の戦闘能力は抜群で、永正13年（1516年）の志和地長野の戦いでは、毛利興元と協力して戦いました。この時期の彼の活躍は、彼が頼りにする存在となる毛利家との関係を深める要因となりました。

永正15年（1518年）には赤屋館の戦いがあり、これは尼子経久の軍を迎え撃つ形で臨み、毛利興元と共に赤屋館を支援しました。彼の戦術家としての才能はますます光ります。特に、天文9年（1540年）の吉田郡山城の戦いでは、尼子晴久に従い先導役を務めたものの、後の第一次月山富田城の戦いでは、大内氏の側につき、尼子晴久に対抗しました。

武勇と戦いの連続

天文13年（1544年）には、尼子晴久が彼の居城である比叡尾山城に迫り、致高へ大きな試練が訪れました。このとき、毛利軍の援軍が布野で尼子軍と戦いましたが、大敗を喫しました。だが、致高は諦めず、翌日に500の兵を率いて尼子軍への奇襲を決行します。この戦いでは、驚きをもって尼子軍を総崩れに追い込み、致高は彼らを出雲国へ追い返しました。彼のこの策略は彼自身の名声を高める一因となりました。

天文20年（1551年）には、大内義隆の自害を受けて毛利氏への帰属が強まり、彼は天文22年（1553年）に息子の隆亮とともに毛利元就・隆元父子に面会し、忠誠を誓います。さらに、家族的な結びつきとして元就の側室に娘を入れるなど、戦国時代における同盟関係を強化しました。このようにして、彼は毛利氏の重要な家臣としての地位を確立しました。

弘治2年（1556年）には、隆亮と共に金銅製の板塔婆を熊野神社に寄進するほど、彼の影響力は広がります。致高の死亡年は不明ですが、彼の死後、息子の隆亮が家業を引き継ぎ、三吉氏はその後も続いていきました。

結論

三吉致高は、その勇敢な戦歴や戦略的思考から、戦国時代の武将として名を馳せました。彼の物語は、一族の忠誠、友誼、そして多くの戦いに捧げられた生涯の記録を伝えています。

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