三品彰英

三品 彰英について

三品 彰英（みしな あきひで、またはみしな しょうえい）は、1902年7月5日に生まれ、1971年12月19日に逝去した日本の著名な歴史学者および神話学者です。彼は海軍教授や多くの大学で教授職を歴任し、学術界に多大な貢献をしました。

経歴

1928年に京都帝国大学文学部史学科を卒業した後、彼は智山大学で講師としてのキャリアを開始しました。その後、京都帝国大学での講師を経て海軍教授としての役割を果たしました。戦後の1945年には海軍教授を退職し、大谷大学で講師としての活動を開始、翌年には教授に昇進しました。1955年から1960年にかけては同志社大学の教授を務め、その後も大阪市立博物館館長や佛教大学教授などとして活躍しました。彼は朝鮮古代史の研究でも知られる井上秀雄を指導し、1960年からは日本書紀研究会の主宰を務め、多くの研究者の育成に尽力しました。

評価

三品の業績の中で特に注目されるのは、1920年代から1930年代に発展したアメリカの民俗学の知見を取り入れ、考古学に文化人類学や自然人類学の視点を加えて古代神話の比較研究を行った点です。彼は日本と周辺国の神話を比較し、特に建国神話の考察を行いました。彼は著書の中で辰国などの歴史的実在性や文献上の矛盾を指摘し、それに基づく先駆的な研究を発表しました。

一方で、彼の理論には批判も存在します。韓国の研究者からは、彼が朝鮮史を外国勢力支配の下にあったものとして捉える植民史観を持つ研究者であるとして指弾されています。特に『朝鮮史概説』の序説には、「朝鮮史の他律性」というテーマが掲げられ、朝鮮半島の歴史はアジア大陸の影響を受けたものであると強調されています。彼の分析によると、朝鮮半島は政治的・文化的な変動の影響を受け、それにより自身の歴史を持つことが困難であったとされます。

事大主義と批判

朝鮮史における事大主義についても考察しており、彼の理論では親明派や従清派などが生まれ、他国の模倣が続いてきたと述べられています。彼の理論に対して、李基白などの研究者は強く反論しており、地理的決定論に反対する見解を示しています。これにより、古い歴史観からの脱却が求められる中で、民族内部の矛盾を改革することが重要であるといった議論が交わされています。

著作

三品彰英の著作も数多く存在し、その中には『建国神話論考』や『朝鮮史概説』、また『日本書紀朝鮮関係記事考証』などがあります。これらの著作は日本の歴史や神話学、朝鮮史に関する貴重な知見を提供しています。彼の研究は、時に激しい議論を巻き起こすこともありましたが、歴史学や神話学の発展に寄与するものであることは間違いありません。

三品彰英の業績は、神話学や歴史学の枠を越えて、より広範な文化的理解を促進するものであり、今日でもその影響は色濃く残っています。

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