三國神社

福井県坂井市の歴史ある神社：三國神社

福井県坂井市に位置する三國神社は、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝える神社です。地元の人々からは親しみを込めて「おさんのさん」と呼ばれ、その歴史は古く、延喜式神名帳にもその名が記されています。主祭神は大山咋命（おおやまくいのみこと）と継体天皇で、古くから人々の信仰を集めてきました。

しかしながら、現在の三國神社は延喜式神名帳に記された神社とは直接的な繋がりはないと考えられています。現在の社殿は、天文9年（1540年）、竹田川の支流である兵庫川から流れてきたとされる御神体が、地元住民によって拾われ、正智院に納められたことに始まります。その後、天文13年（1544年）には正智院の院主・澄性によって境内に小社が建立されました。そして、永禄7年（1564年）には澄性の弟子である澄元が、現在の社殿のある桜谷の地を開き、山王宮を建立しました。

明治時代に入ると、山王宮は式内社である三國神社の後裔を自称し、社名変更を願い出ましたが、これは却下されました。そのため、一時的に「桜谷神社」と改称されましたが、明治18年（1885年）にようやく「三國神社」への改称が許可され、現在の社名となりました。この際に、近隣にあった継体天皇を祀る水門宮を合祀し、継体天皇を脇祭神として祀ることになりました。

三國神社は、継体天皇ゆかりの地であるという伝承も存在します。継体天皇は、この地を治めていたという言い伝えがあり、神社の創建に関わる物語にもそれが反映されています。しかしながら、これらを裏付ける史料は現存していないため、伝承の域を出ません。

三國神社の大きな特徴の一つとして、毎年開催される三国祭があげられます。このお祭りは、福井県指定の無形民俗文化財に指定されており、北陸三大祭の一つとしても知られています。華やかで賑やかなお祭りは、地域住民の生活に深く根付いており、三國神社の歴史と文化を象徴する行事となっています。

また、神社境内には、県指定有形文化財である三國神社随身門など、歴史的な建造物も残されています。これらの文化財は、三國神社の歴史と文化を後世に伝える重要な役割を担っています。

アクセスは、えちぜん鉄道三国芦原線三国神社駅下車と非常に便利です。神社を訪れる際には、歴史的な建造物や、地域に根付く文化に触れてみてください。三國神社は、歴史と文化、そして信仰が融合した、魅力あふれる場所です。

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