三國第一山新倉富士浅間神社

三國第一山新倉富士浅間神社:歴史と信仰の息づく霊地



山梨県富士吉田市に位置する三國第一山新倉富士浅間神社は、古くから地域の人々の篤い信仰を集める神社です。旧社格は村社、登記上の宗教法人名称は富士浅間神社であり、新倉富士浅間神社とも呼ばれています。

建立と皇室との関わり



慶雲3年(705年)、甲斐国八代郡荒倉郷の氏神として祀られたのが始まりです。その後、大同2年(807年)の富士山大噴火という激動の時代において、朝廷は国土安泰と火山の鎮火を祈願。この年に、平城天皇より勅使が派遣され、神社において国土安泰富士山鎮火祭が執り行われました。この際、天皇より「三國第一山」の称号と、大鳥居の勅額、金幣、そして破魔宝面(勅使面)が奉納されたという歴史的な記録が残っています。現在、この貴重な破魔宝面は富士吉田市の郷土資料館に展示され、当時の状況を今に伝えています。享保15年(1730)の「新倉村 高反別指出明細帳」には、平城天皇による大鳥居勅額の「三國第一山」の額字が「勅筆」と伝承されていたことが記されています。

吉田の火祭りとの関わり



現在、富士吉田市の夏の風物詩として知られる「吉田の火祭り」で担がれる御山神輿は、かつて新倉村から出発していました。当社の祭礼では、村役人、神職、氏子が総出で村を巡り、その後上吉田へと向かい、諏訪神社の祭礼にも参加するという盛大なものでした。この神輿の行列は、神社と地域社会の深い結びつきを示す象徴的な光景と言えるでしょう。

新倉山浅間公園と観光



神社の神域は、新倉山浅間公園として整備され、多くの参拝者や観光客に親しまれています。公園内には、戦没者慰霊の五重塔である「忠霊塔」がシンボルとしてそびえ立ち、富士山を望む絶景は「富士山眺望日本一」と謳われています。霊峰富士を背景に、歴史と自然が調和したこの地は、信仰と観光の両面において、人々を惹きつけてやまない魅力的な場所です。

60年に一度の御更衣祭



神社では、60年に一度、式年大祭である御更衣祭が執り行われます。この祭事では、一週間もの間、潔斎を行い、祭神の衣を織り、新しい衣へと更衣するという、神道における重要な儀式です。この厳粛な祭事は、神社の伝統と信仰の深さを象徴するものです。

関連事項



新倉山浅間公園
北口本宮冨士浅間神社
冨士山下宮小室浅間神社
吉田の火祭り
* 郡内大工仲間

三國第一山新倉富士浅間神社は、歴史、信仰、そして自然が一体となった、まさに聖地と言える場所です。訪れる人々に、静寂と感動、そして深い歴史への思いを届けてくれることでしょう。

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