三好愛吉

三好愛吉

三好愛吉は、1871年（明治3年）に新潟県村上市で生まれ、1919年（大正8年）に47歳で亡くなった教育者です。彼は、第二高等学校の校長や皇子傅育官長を歴任し、日本の教育界に大きな足跡を残しました。

生い立ちと教育

三好愛吉は、村上藩士の次男として生まれました。村上中学を経て、1891年（明治24年）に第一高等学校を卒業、1895年（明治28年）には東京帝国大学哲学科を卒業しました。その後、京都真宗大学の教授や新発田尋常中学校長を歴任しました。

教育者としての活躍

三好は、長野尋常中学（現在の長野県長野高等学校）を創設し、初代校長に就任しました。この学校では、暖房費を節約してピアノを購入したというエピソードが残っています。1900年（明治33年）には、仙台の第二高等学校（現在の東北大学教養課程の前身）の教授となり、後に第5代校長に就任しました。彼は同校の「雄大剛健」という校風を確立し、その教育理念は多くの学生に影響を与えました。また、1904年（明治37年）には、大須賀次郎、瀧川亀太郎、玉虫一郎らとともに仙台孔子会を設立しました。

皇子傅育官長

1915年（大正4年）には、「皇子傅育官長」に任命され、秩父宮雍仁親王と高松宮宣仁親王の教育に尽力しました。彼は、イギリスの名門校であるイートン校やハーロー校のような教育を皇子たちに施そうとしましたが、その志半ばで1919年（大正8年）にスペイン風邪により47歳で急逝しました。

その他の活動

三好は、仏教にも深く関心を持ち、森田悟由（曹洞宗の僧）らに師事しました。また、東京帝国大学に印度哲学講座を創設するため、安田善次郎に寄付を勧め、講座開設に貢献しました。さらに、村上専精らと「六人會」を結成し、東京大学に講堂を寄付するよう安田に進言しました。この結果、安田講堂が建設されました。これは、安田が暗殺された後、彼の遺志を継いで建設されたものです。

三好愛吉の死後

三好の死後、彼の功績を称えるために、中村唯一編「物外三好愛吉先生」という書物が刊行されました。また、教育者としての彼の解説は、唐澤富太郎（編著）「図説教育人物事典」などに掲載されています。

栄典

1910年（明治43年）には、勲六等瑞宝章を受章しています。

関連人物

三好の教え子には、土田誠一や野口明（教育者）などがいます。


三好愛吉は、教育者としてだけでなく、思想家としても多くの人々に影響を与えました。彼の教育理念や活動は、今もなお語り継がれています。

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