三宅喜二郎

三宅喜二郎は、1908年1月27日に京都で生まれ、2001年8月27日に亡くなった日本の外交官です。彼の外交官としてのキャリアは、第二次世界大戦前、戦中、戦後と激動の時代を跨ぎ、その経験は多岐にわたります。

学歴と初期のキャリア

三宅は、1930年に高等試験行政科に合格し、1931年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業しました。その後、研究科に進み、経済学と法学を深く研究しました。1934年には高等試験外交科にも合格し、外務省に入省しました。入省後は、イギリスでの在外勤務を始め、シドニー領事館など、海外での経験を積みました。

戦中と戦後の活動

1939年には外務省欧亜局、1940年には南洋局で勤務しました。第二次世界大戦後は、外務省調査局第一課長、外務大臣官房文書課長、国立国会図書館支部外務省図書館長などを歴任。司法試験考査委員も務めるなど、幅広い分野で活躍しました。その後も在インド日本国大使館参事官、ユネスコ総会日本政府代表代理、外務省アジア局外務参事官などを経て、1959年には外務大臣官房審議官に就任しました。また、日韓全面会談では日本政府代表を務めるなど、重要な外交交渉にも携わりました。

大使としての活躍

1960年にはパナマ兼コスタリカ特命全権公使に任命され、その後1961年にはチェコスロバキア特命全権大使に就任しました。1968年にはスウェーデン兼アイスランド特命全権大使として活躍しました。これらの大使としての経験は、彼の外交官としての手腕を物語っています。

退官後の活動と研究

退官後は、日本文化大学教授や慶應義塾大学講師を務め、後進の育成にも尽力しました。また、研究者としても活動し、経済学や外交に関する著作を多数発表しました。主な著書には、『貨幣論上に於ける限界効用説の再吟味』（1931年）、『ジアン・ボオダンの物価論』（1932年）、『我國に於ける賃銀及び物價の統計的研究』（1932年）、『満州事変の研究 : その背景、原因、経過と真相』（1967年）、『支那事変の研究』（1968年）などがあります。

人物像と晩年

三宅喜二郎は、その生涯を通じて、外交官として、また研究者として、日本の国際社会における地位向上と学術の発展に貢献しました。2001年、千代田区の病院でその生涯を閉じ、自宅は白金台にありました。彼の業績は、今もなお、多くの人々に影響を与え続けています。

三宅喜二郎の足跡は、激動の20世紀における日本の外交と学術の歴史を語る上で欠かせない重要な一部分と言えるでしょう。

もう一度検索