三宅川

三宅川（みやけがわ）

三宅川は、愛知県稲沢市と愛西市を流れる、日光川水系の二級河川です。日光川の1次支川として、本川に合流します。

地理

三宅川は、稲沢市稲沢町北島付近を上流端とし、愛西市勝幡町付近で日光川に合流します。河川延長は10.54キロメートルです。上流部では逆S字を描きながら大きく蛇行し、稲沢市船橋町付近で観音川と合流します。稲沢市儀長付近からはやや西寄りに南流し、日光川との合流点に至ります。

歴史

木曽川との関わり

三宅川の流路は、かつて木曽川の主要な本流の一つでした。時代が経つにつれて、現在の犬山市西部で木曽川から分岐し、伊勢湾へと注ぐ派川の一つとなりました。現在の三宅川の流路は、二之枝川と呼ばれた主要な派川の一つの中流部に相当します。上流側は現在の般若川や大江川、下流側は現在の日光川との合流点付近から南に流れて善太川へと流れる古日光川と呼ばれる流路をとっていました。

尾張国府と三宅川

尾張国の国司は、桑名から水路で赴任したと伝えられています。国府があった現在の稲沢市松下付近は、三宅川の自然堤防の上に位置しており、河川港が存在していました。このことから、三宅川は当時の交通や物流において重要な役割を果たしていたと考えられます。

兼平堤の築造

その後、現在の愛西市勝幡町付近の右岸に「兼平堤」と呼ばれる堤防が建造され、古日光川が締め切られました。これにより、三之枝川の下流であった萩原川下流の天王川へと流れることとなりました。兼平堤が築かれた具体的な時期を記した記録はありませんが、1400年前後であると推測されています。

勝幡城と三宅川

戦国時代中頃の永正年間には、萩原川との合流点の少し上流側に勝幡城が築かれました。三宅川は、勝幡城の外堀としての役割を果たしていました。城 defenses に自然の地形を組み込むという戦略は、当時の他の場所でも見られました。

江戸時代の治水

江戸時代に入り御囲堤が建造されると、三宅川は木曽川から切り離されました。しかし、三宅川が天王川を経て合流する佐屋川に木曽川からの流入土砂が増加したことで河床が上昇し、佐屋川・天王川・三宅川の排水不良が生じるようになりました。

河川改修

佐屋川洪水時の逆流を防ぐために新たな水路の整備が検討され、まず1667年（寛文7年）に現在の三宅川合流点から下流側の日光川が開削されました。その後、さらなる佐屋川の河床上昇により1785年（天明5年）に上流側の開削および領内川の付け替えが行われ、現在の河川状況が出来上がりました。

現在の三宅川

現在、三宅川は地域の人々の生活を支えるとともに、貴重な自然環境を育んでいます。しかし、都市化の進展や気候変動の影響により、水害のリスクも高まっています。今後の治水対策や環境保全が重要な課題となっています。

外部リンク

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