三岐鉄道ED45形電気機関車

三岐鉄道ED45形電気機関車

三岐鉄道ED45形電気機関車は、三岐鉄道が所有する直流用の電気機関車で、ED451からED459までの9両が在籍しています。本機は特に、三岐鉄道の特徴である右運転台を採用し、列車無線、2灯式シールドビーム、ATS（自動列車停止装置）が装備されています。さらに、重連総括制御装置が取り付けられており、これを利用して三岐線の東藤原駅から富田駅間でセメント輸送の貨物列車を牽引することができます。

主に運行は重連で行われるものの、入換作業に使われるED301形が使用できない時には、ED45形が単独で太平洋セメント藤原工場内の入換作業を行うなど、柔軟な運用が特徴です。

車両の製造背景

ED451からED453、さらにED456及びED457は、三岐線が電化されたことに伴い、三岐鉄道が発注し、1953年に東洋電機製造と東洋工機によって製造されました。これらの車両は、相鉄のED10形電気機関車と同じく、丸みを帯びたデッキ付きの箱型車体が特徴ですが、製造された年によっては側面の通風口や窓の大きさに若干の違いがあります。

ED451からED453やED456・ED457は、車体の裾が丸みを帯びており、前後の窓が縦長で他が横長という独特な窓配置が目を引きます。

一方、ED454とED455は、1957年に小野田セメントの製品輸送用に製造され、1958年に富山地方鉄道から三岐鉄道に移籍してきました。これらの機関車もED451からED453と基本的に同じ仕様であり、後に国鉄から借り受けたED38形と共に黒部ダム建設において資材輸送も行いました。

ED456は1962年、ED457は1970年にそれぞれ増備された車両です。特にED457の車体は西武所沢車両工場により製造されている点が注目です。

その他の車両

ED458は、1950年に東芝で製造された東武鉄道のED5000形を1978年に三岐鉄道が譲り受けたものです。多くの改造を経て、1993年にはED458へ改番されました。また、ED459は1963年に東芝で製造された東武ED5060形を1991年に譲り受けたもので、2000年には中部国際空港関連の改造を受けました。新たに右運転台化などが施され、ED459と呼ばれています。

主要諸元

ED451からED453の基本的な諸元は以下の通りです：

• - 全長：12,800 mm
• - 全幅：2,640 mm
• - 全高：3,985 mm
• - 運転整備重量：45.1 t
• - 電源方式：直流1,500 V
• - 軸配置：B-B
• - 台車形式：DTH57
• - 主電動機：MT40B（142 kW）×4基
• - 歯車比：16:73 = 1:4.56
• - 1時間定格出力：568 kW
• - 1時間定格引張力：5,440 kgf
• - 1時間定格速度：35.0 km/h
• - 動力伝達方式：歯車1段減速式、吊り掛け駆動
• - 制御方式：重連総括制御、抵抗制御、2段組み合わせ制御
• - 制御装置：電磁空気単位スイッチ式
• - ブレーキ方式：EL14A空気ブレーキ、発電ブレーキ（現在使用停止中）、手ブレーキ

ED45形電気機関車は、その多様な運用と特性により、今もなお三岐鉄道に欠かせない存在となっています。

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