三島町 (愛媛県)

三島町の歴史と概要

三島町（みしまちょう）は、愛媛県東予地方、宇摩郡に位置していた町です。現在の四国中央市北部に相当し、燧灘に面した臨海部と、内陸部の法皇山脈に挟まれた東西に細長い地形が特徴です。この地は、古くから製紙業が盛んで、工業都市として発展しました。

歴史

江戸時代

三島町を含む宇摩地方は、江戸時代に支配者が頻繁に入れ替わりました。これは、南方の四国山中で発見された別子銅山の運営に大きく関わっていました。今治藩が代官所を設置するまでは、寒村に過ぎませんでした。

1636年（寛永13年）：一柳氏の領地となる
1643年（寛永20年）：幕府領となり、松山藩が預かる
1698年（元禄11年）：今治藩の領地となり、代官所が設置され、この地域一帯の中心地として発展

江戸時代には、水不足が農業を営む上での大きな課題でした。法皇山脈の南側からの導水構想はあったものの、大規模工事が必要なため実現には至りませんでした。これは、後に銅山川疏水の構想へと繋がります。

明治時代以降

明治時代に入り、三島町は大きな発展を遂げます。

1895年（明治28年）：川之江町から宇摩郡役所が移転し、宇摩地域の中心地として発展
1898年（明治31年）：三島高等小学校設置
1908年（明治41年）：三島女学校設置
1917年（大正6年）：国鉄予讃本線伊予三島駅開業
1919年（大正8年）：国鉄予讃本線伊予土居駅延伸
1930年（昭和5年）：三島港が地方港湾指定を受け、工業港として発展
1950年（昭和25年）3月17日：昭和天皇が三島小学校に行幸

合併とその後

1889年（明治22年）12月15日：町村制施行により三島村が発足
1898年（明治31年）11月21日：町制を施行し三島町となる
1944年（昭和19年）4月1日：中曾根村、中之庄村、松柏村と合併し、新たに三島町が発足
1950年（昭和25年）10月1日：松柏村が三島町から分立
1954年（昭和29年）11月1日：三島町、松柏村、寒川町、豊岡村、富郷村、金砂村が合併し、伊予三島市が発足

三島町は、周辺町村との合併を経て伊予三島市となり、自治体としての歴史を終えました。その後、伊予三島市は平成の大合併で川之江市、新宮村、土居町と合併し、四国中央市となりました。現在、三島の名は四国中央市の一地域名として残っています。

地理

三島町は、北に燧灘、南に法皇山脈を抱え、平地部は東西に細長く緩やかに傾斜しています。明治時代に郡役所が移転したことをきっかけに発展し、港湾整備と共に製紙産業が成長しました。現在では、臨海部が埋め立てられ、三島川之江港の一部となっており、臨海部から内陸にかけて製紙工場が集積する工業地帯となっています。

町名の由来

「三島」という名前は、奈良時代から見られる古い地名です。古くは「三嶋」とも記されました。三島神社の存在が、この地名の由来として有力視されています。

地域

旧三島村の区域がそのまま三島村となり、大字は置かれていませんでした。1944年の合併時に、旧三島村以外の地域が大字となりました。現在の四国中央市では、「三島」を冠する地名が残っています。

旧三島町に含まれる地域

三島朝日1 - 3丁目、三島紙屋町、三島宮川1 - 4丁目、三島中央1 - 5丁目、三島金子1 - 3丁目、中曽根町、中之庄町、具定町

産業

三島町は、古くから製紙業が発達しており、現在では四国有数の工業出荷額を誇る製紙産業の中枢を担っています。

交通

国鉄予讃本線が東西に横断し、町内に伊予三島駅があります。国道11号もほぼ平行に走っています。また、臨海部は三島川之江港の一部となっています。

名所

三島神社

出身者

降魔研暢 - 僧侶、高野山真言宗の管長

関連事項

愛媛県の廃止市町村一覧


三島町は、その歴史の中で、幾多の変遷を経てきました。しかし、その名前と、そこで培われた産業は、現在も四国中央市にしっかりと息づいています。

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