三式一号電波探信儀三型

三式一号電波探信儀三型（Type 3 Mark 1 Radar）

三式一号電波探信儀三型は、日本海軍によって開発された陸上設置用の対空警戒レーダーです。略称としては一号三型電探や13号電探とも呼ばれます。

このレーダーは、小型かつ軽量であるため非常に高い評価を受けており、艦艇にも多数搭載されることになりました。この背景には、前型である一号一型や二型が重量過大で移動が困難だったことがありました。そのため、開発課題としては小型軽量化が重要視されました。

三式一号電波探信儀三型は、航空機に対する性能が向上した2mの使用波長を採用しています。尖頭出力は10kWで、測定は最大感度法によって行われます。重量は110kgと軽量で、分解すれば人力での運搬も可能です。また、アンテナは八木・宇田アンテナを4段積み上げた構造を持っており、その高さは4,236mmです。

このレーダーの探知可能距離はカタログ上では単機で50km、編隊で100km、最大目盛は150kmとされていますが、実際には編隊で150km以上、味方識別装置を用いた場合には300km以上の探知が可能でした。さらに、空母「瑞鶴」の実測距離は240kmに達したとの記録もあります。

1943年に採用された三式一号電波探信儀三型は、戦争の進行に伴い陸上だけでなく艦艇にも装備されるようになりました。艦艇用の対空見張りとしては、21号電探を廃止し13号電探への統一の提言もされました。その実例として、秋月型駆逐艦において21号電探が廃止され、13号電探への交換が行われました。

1944年には二号二型と共に生産が大幅に増加し、同年7月には呉海軍工廠においてほぼすべての艦船に装備されることとなりました。生産台数は約2,000台に達しました。加えて、このレーダーは潜水艦にも搭載されることとなり、アンテナ部のみの変更で利用が可能でした。1944年春以降、潜水艦がこのレーダーを使用するようになってから、敵からの攻撃に対する被害が著しく減少したと伝えられています。

潜水艦用の装備としては、まず既存の昇降式短波無線マストを回路切替式にして兼用させる方法が採用されました。この方法ではアンテナが無指向性になるため方位測定ができず、目標の方向が不明となりますが、潜望鏡深度で潜航したまま使用できる利点があります。これにより、浮上前の対空警戒に要する効果が挙げられました。

その後、浮上中の対空見張り用には、クラスターを増設して目標の方位も探知可能にする方法が導入され、短波無線マストと併用される運用形態が主流となりました。これにより、三式一号電波探信儀三型は、日本海軍の対空防御において極めて重要な役割を果たすこととなったのです。

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