電波探信儀

電波探信儀（でんぱたんしんぎ）は、昭和時代の日本海軍で独自に開発されたレーダーシステムのことであり、一般に「電探」と略称されます。この技術は1930年代から1940年代にかけて、日本が体制の下で特に重要視され、発展していきました。要素技術としては、マグネトロン、八木・宇田アンテナ、電波高度計の3つが挙げられ、これらは日本が先駆けて取り組んでいた分野でした。

要素技術

マグネトロン

マグネトロンは、マイクロ波を生成する装置であり、日本無線と海軍技術研究所により1932年に共同研究が始まりました。1936年までにいくつかの試作装置が完成し、戦局が進むにつれてその重要性が増していきました。

八木・宇田アンテナ

このアンテナ技術は、送受信の効率を高めるために工夫され、その後のレーダー技術に大きな影響を与えました。

電波高度計

松尾貞郭が1932年から開発に取り組みましたが、当時の技術では実用化には至りませんでした。これらの要素が相まって、電波探信儀は急速に進化することになります。

開発の経緯

日本海軍では、1936年にレーダー研究が提案されましたが当初は却下され、その後1939年に「暗中測距」という形での研究が始まりました。翌年には艦船から波長10 cmの電波が反射することを確認し、レーダー技術の実用化の可能性が開かれました。1941年には、イギリスが自国の防空戦にレーダーを有効活用しているとの情報が日本に届き、急速に開発が進められました。

命名法

開発された電探は、その使用目的に従っていくつかのモデルに分かれました。例えば、陸上見張用、艦載見張用、艦載水上射撃用など、それぞれ特定の用途に合わせて命名され、型番号が付けられました。正式名称は「三式一号電波探信儀一型改一」のように、複雑な構造を持っていましたが、略称も同時に用いられていました。

主な電探

• - 三号電波探信儀: この型のレーダーは発信機と受信機が離れた位置に設置され、連続波を使用して航空機を捉えることができました。試作段階は多かったものの、実用に至ったのは一号一型でした。
• - 一号一型: 陸上設置の対空監視用メートル波レーダーで、波長3m、尖頭出力10kWで最大70kmの感知能力を持っていました。1941年には大量生産が開始され、多くが南方に設置されました。
• - 一号二型: 一号一型の改良版で、より軽量になり、トレーラー装備に改良されました。ここに記されているように、多くのレーダーが生産されましたが生産効率や実用性の観点から制約がありました。

結論

電波探信儀は、日本の海軍技術において重要な役割を果たし、当時の最新技術を結集した兵器のひとつでした。様々な型の開発を通じて、日本独自のレーダー技術は進歩を遂げ、戦事においてその威力を発揮しました。これらの技術は、以後の電子技術や軍事技術の発展にも大きな影響を与えることとなります。

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