三戸部スエ

三戸部スエについて

三戸部スエ（みとべ すえ、1924年3月31日 - 1986年4月24日）は、日本の女優で、北海道夕張市の出身です。本名でも活動していました。彼女は、日本大学芸術科（現在の日本大学藝術学部）を中退し、演劇界でのキャリアをスタートさせました。

演劇活動の始まり

第二次世界大戦中、三戸部は瑞穂劇団に参加し、演技の経験を積みました。この時期に演じた作品から彼女の演技力が評価されるようになり、戦後には商業演劇や映画、テレビドラマへと活動の幅を広げました。1971年に俳優座を退団して以降はフリーの女優として、数多くの作品に出演しました。

彼女の特長は、脇役や老け役を得意としていたことであり、数々の作品においてその演技が高く評価されました。多彩な役柄をこなすことで、多くのファンに親しまれる存在となりました。

映画とテレビドラマの出演

三戸部スエは、多くの映画に出演しており、そのリストは非常に多岐にわたります。代表作には、1954年の『潮騒』や『女性に関する十二章』、1957年の『純愛物語』、1972年の『女囚701号 さそり』といった作品があります。特に1975年には『本陣殺人事件』や『祭りの準備』など、著名な作品にも出演しています。

テレビドラマにおいても、彼女は数多くの作品にキャストされています。1958年の『俳優座アワー / 殺意』や、1962年のNHK連続テレビ小説『あしたの風』など、多くの視聴者に愛されました。また、1970年代から1980年代にかけては、必殺シリーズや『Gメン'75』、さらには大河ドラマ『おんな太閤記』や『関ヶ原』など、多彩な役どころで活躍していました。

私生活と遺作

三戸部スエは、彼女の親類に作家の橘善男がいることで知られています。彼女の半生を基にした作品、「小説俳優座―わざおぎ狂乱」が2001年に出版されており、彼女の人生や功績を後世に伝えています。

1986年4月24日、三戸部スエは胃癌により62歳という若さでこの世を去りました。彼女の死は、多くのファンや関係者にとって大きな衝撃であり、女優としての痕跡は現在も様々な作品を通じ、後世に語り継がれています。彼女の演技力や表現力は、今でも多くの俳優や女優に影響を与えていると言えるでしょう。三戸部スエの遺した作品は、今後も多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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