三春台

三春台（みはるだい）

三春台は、神奈川県横浜市南区の北部に位置する町名です。住居表示は未実施で、面積は約0.238平方キロメートル。北東は西区霞ケ丘、南は西中町、南西は南太田、西は庚台、北西は伏見町と隣接しています。

地理

標高約40メートルの台地上に位置し、坂が多いのが特徴です。主な坂として、新坂、旧坂、久保山坂、西坂、東坂、しおくみ坂、庚坂の7つがあります。これらの坂は、三春台の地形的な特徴を象徴しており、それぞれに歴史や由来があります。

坂の由来

新坂: 「旧坂」の北東側に位置し、新しい坂として名付けられました。
旧坂: 「新坂」に対して、古くから存在したため旧坂と呼ばれるようになったという説と、新坂よりも古いためという説があります。
久保山坂: 久保山斎場へ通じる坂であることから名付けられました。
西坂: 昭和40年代に地元町内会が、町の西側に位置することから名付けました。
東坂: (詳細な由来は不明)
しおくみ坂: 正保年間(1644 - 1647年)ごろ、入江に面した太田村で製塩が行われていたことに由来します。かつて太田村には「塩垂坂」という地名も残っていました。
庚坂: 庚（かのえ）耕地という地名が由来です。

歴史

三春台の歴史は、明治時代に大きく変化しました。1874年（明治7年）に久保山に共同墓地が造られたことで、多くの寺院がこの地に移転し、寺院が多い町となりました。しかし、これらの寺院の多くは、1945年（昭和20年）5月29日の横浜大空襲によって焼失しました。

初代宮川香山が明治3年（1870年）に京都から移り住み、翌年、真葛焼（まくずやき）を開窯しましたが、この窯も横浜大空襲で焼失しました。

関東学院中学校はJ・H・モーガンの設計で1929年（昭和4年）に建設されましたが、空襲の被害のため、六浦に移転、その後校舎が再建され現在地に戻りました。

地名の由来

三春台という町名は、1871年（明治4年）9月に新設された三春町に近い高台に位置することから名付けられました。三春町は瑞祥地名であり、縁起の良い意味合いが込められています。

沿革

古くは久良岐郡太田村の一部であり、1889年（明治22年）の町村制施行により戸太村大字太田の一部となりました。その後、1901年（明治34年）に横浜市に編入され南太田町の一部となり、1935年（昭和10年）に三春台として新設されました。

1928年（昭和3年）には、関東大震災の復興事業として霞橋が竣工。南区と西区を結ぶ重要な橋として、現在も利用されています。関東学院中学校もこの頃に建設されました。

現在の三春台

現在、三春台には、関東学院中学校高等学校、関東学院小学校、横浜市立太田小学校などの教育機関があります。また、三春台保育園、横浜れんげ幼稚園などの保育施設も充実しています。

地域住民の憩いの場として、三春台公園や三春台第二公園があります。また、久遠寺、西教寺、大光院など、多くの寺社が点在しており、歴史と文化が息づく街並みを形成しています。

交通

町域内に鉄道は通っていませんが、京浜急行電鉄黄金町駅が最寄駅として利用されています。

主な施設

南警察署久保山交番
関東学院中学校高等学校
関東学院小学校
横浜市立太田小学校
三春台保育園
横浜れんげ幼稚園
三春台公園
三春台第二公園
久遠寺
西教寺
大光院
妙音寺
東光寺
新善光寺
薬王寺
蓮花院
寿量寺
楠森稲荷

ゆかりのある人物

小岩井貞夫（神奈川県多額納税者、地主、横浜市会議員）

まとめ

三春台は、横浜市南区の北部に位置する、歴史と自然が豊かな町です。多くの坂道や寺社、教育機関があり、住みやすい環境が整っています。黄金町駅からのアクセスも良く、横浜の魅力を満喫できるエリアです。

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