三木合戦

三木合戦（みきかっせん）について

三木合戦は、1578年5月5日から1580年2月2日までの間に発生した、織田氏と別所氏との戦いです。この合戦は、羽柴秀吉が遂行した播磨征伐の一環であり、兵庫県三木市にある播磨三木城に籠城した別所氏が主役となっています。また、秀吉が行った兵糧攻めは「三木の干殺し」として知られています。

1. 合戦の背景

室町時代の播磨地方は、赤松氏の支配を受けていましたが、嘉吉の乱を経て一時的に衰退しました。その後、赤松氏は再興を果たしますが、周辺には多くの勢力が割拠する状況が生まれました。別所氏は赤松氏の一族で、東播磨一帯に広がる影響力を持っていました。織田信長や毛利氏などが勢力を強め、播磨は彼らの緩衝地帯となっていましたが、信長に追放された足利義昭や石山本願寺の顕如の影響により、毛利氏が反織田の姿勢を決定づけることになります。

2. 離反の理由

三木合戦前、別所氏は織田氏との不和が生じます。例えば、別所氏の家臣が秀吉の評定に対して不満を抱いたことや、秀吉が播磨を独占的に支配しようとしているという懸念があったため、別所氏は毛利氏に転身する決断を下しました。

3. 合戦の展開

別所長治は三木城に籠城し、約7500人の兵を集結させました。長治は、毛利氏からの援軍を期待しつつ籠城する一方で、秀吉は三木城を包囲し、支城を攻略していきました。合戦は天正6年の春から開始され、秀吉軍による支城攻撃や兵糧攻めが展開されます。

秀吉軍は、まず支城を次々と陥落させ、徐々に別所軍の補給路を狭めていきました。秀吉の攻撃が続く中、別所氏は毛利氏からの補給を期待しますが、秀吉の策略と敵方の離反が続き、状況は厳しさを増していきました。

4. 兵糧の不足と決断

合戦が長引くにつれ、別所氏は兵糧不足に陥り、長治の弟治定が討死するなどの苦境に立たされます。最終的に、1580年1月には三木城の中で食料が枯渇し、兵士たちの疲労も限界に達しました。秀吉は降伏を促しますが、別所氏は一時抗戦し続けました。

5. 結末

1580年1月17日、別所氏はついに降伏し、長治一族が切腹することで和議を結ぶ形で合戦は終息を迎えます。歴史的には、これは1年10ヶ月にもわたる篭城戦であり、見事な戦術と兵糧攻めが話題になります。一方、城兵の命が助けられたという記録もありますが、戦後の処理については文献によって意見が分かれています。

この戦闘は、羽柴秀吉の軍事的手腕や播磨地方の戦国時代の情勢を浮き彫りにする重要な出来事として、日本の歴史に刻まれています。

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