別所氏

別所氏：播磨を舞台に活躍した戦国大名

別所氏は、播磨国を舞台に活躍した戦国大名の一族です。その起源は、播磨守護大名・赤松氏の庶流に遡ります。代々、三木城周辺を拠点として勢力を伸ばしていきました。

赤松氏家臣時代から独立へ

別所氏の祖は、赤松氏の祖である赤松季房の孫、赤松（別所）頼清であると伝えられています。室町時代には、赤松敦光や赤松則祐の子である赤松持則が別所氏の名跡を継承しました。当初は赤松氏に仕え、三木城の周辺に居城を構えていました。嘉吉の乱で一時的に勢力が衰えましたが、応仁の乱後の赤松氏の再興に伴い、別所則治が三木城を築き、初代城主となりました。則治は別所氏中興の祖として称えられています。

その後、則治の孫である別所就治の代に、主家である赤松氏と守護代・浦上氏との対立が激化し、赤松氏の勢力が衰えると、就治は東播磨三郡を支配下に置く力を背景に赤松氏から独立し、戦国大名として自立しました。

戦国大名としての隆盛と滅亡

就治は優れた武勇を誇り、三好氏や尼子氏の侵攻を幾度も撃退し、勢力を拡大していきました。最盛期には東播磨八郡を支配下に置くまでに至りました。

しかし、就治の子・別所安治の代には、三好氏と争っていた織田信長と同盟関係を結びますが、安治の子・別所長治の代になると、信長からの離反を招き、羽柴秀吉率いる織田軍による攻勢を受けました。これが有名な「三木の干殺し」と呼ばれる三木合戦です。長治は2年近く抵抗を続けましたが、1580年（天正8年）に自害し、戦国大名としての別所氏は滅亡しました。

別所氏一族のその後

別所就治の三男である別所重宗は、長治とは異なる道を歩み、秀吉の家臣となりました。その後、但馬国八木城（または丹波国園部城）の城主となり、子の吉治の代には八木藩を治めることとなりますが、1628年（寛永5年）の参勤交代怠慢により改易されました。その後、許された息子の守治や重宗の他の系統は旗本となりました。また、別所氏一族には、長崎奉行を務めた別所常治もいました。

なお、三木城主別所氏とは別に、西播磨利神城を拠点とする別所氏の分家も存在しましたが、信長への反逆により滅亡しました。水戸藩第2代藩主・徳川光圀の養父とされる三木之次は別所氏の一族という説もありますが、定説ではありません。また、別所長治の叔父の子孫が阿波国に逃れたという伝承もありますが、確かな証拠はありません。

系図

（系図はテキストでは表現できません。元のinputを参照ください。）

まとめ

別所氏は、赤松氏から分かれた一族として播磨で勢力を築き、戦国時代を駆け抜けた戦国大名でした。三木城を拠点に活躍した彼らの歴史は、数々の戦いとドラマに彩られています。その栄枯盛衰は、戦国時代の激しい流れを象徴するものであり、多くの研究者や歴史愛好家の関心を集め続けています。

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