三木城 (紀伊国)

三木城の概要と歴史

三木城（みきじょう）は、志摩国英虞郡に属する現在の三重県尾鷲市三木浦町に位置していた日本の平山城です。この城の別名は「三鬼城」として知られています。

城跡は現在、尾鷲市立三木小学校として利用されており、かつての城山は南西にあり、わずかに往時の名残を残しています。ここでは、城の歴史的背景や遺構、交通手段について詳しく説明します。

歴史的背景

三木城の歴史は、紀伊新宮城の城主であった堀内氏善と関連しています。氏善は自らの勢力を拡大するために三木城を攻撃し、城主の三鬼新八郎は九鬼嘉隆の援軍を受けてこれに立ち向かいました。しかし、堀内氏善は九鬼家の娘を娶ることで三鬼家を孤立させる策略を講じました。

天正3年（1575年）に堀内氏善が再び攻め寄せてきた際、九鬼嘉隆は三鬼氏への支援を怠りました。そのため、城は落城し、三鬼新八郎は大和国吉野郡の上北山村に逃げましたが、結局捕らえられ、殺されてしまいました。堀内氏善は少数の兵を残して新宮へ帰ることとなります。しかし、その隙をついて紀伊長島城主の加藤甚五郎が三木城を攻撃し、城の占拠に成功しました。

その後、堀内氏善は再び2,000の兵を率いて加藤軍に夜襲をかけましたが、加藤軍は多数の死傷者を出しながらも本拠地へと退却しました。しかし、奥村氏の裏切りもあり、状況は悪化し、紀伊長島城は火災に見舞われ、加藤甚五郎は自刃しました。三木城はその後、三鬼新八郎の息子、三鬼勘六によって再び受け継がれました。

遺構と復元

三木城の遺構は尾鷲市史跡に指定されており、1973年には「三木城跡」として訪れる人々に解説される現地案内板があります。特に本丸跡からは尾鷲市の街や港を一望でき、城の歴史を感じさせる景観が広がります。また、五輪塔が刻まれた文字から、寛永年間に建立されたと言われています。

周辺施設とアクセス

三木城へ向かう登城口は、鳥居をくぐらず、右側の石段を登ると本丸跡に位置する三木小学校の門に到達します。また、模擬石垣が八幡大菩薩を記念する小祠の前に設置されています。

交通手段としては、JR紀勢本線の九鬼駅から「尾鷲市ふれあいバス・八鬼山線」を利用し、「市場前」バス停で下車した後、徒歩で約3分の距離です。さらに、紀勢自動車道の尾鷲北ICからはおおよそ30分で到達できます。

まとめ

三木城は日本の歴史の中で重要な役割を果たしてきた城の一つであり、その背景には戦国時代の戦闘や策略が色濃く反映されています。その後の発展を見せるこの地域において、三木城は現在も多くの人々に親しまれ、訪れる価値のある歴史的な場所と言えるでしょう。

もう一度検索