三木市立金物資料館

三木市立金物資料館：伝統の技と文化が息づく博物館

兵庫県三木市に位置する三木市立金物資料館は、大工道具を専門とする博物館として、地域の伝統産業である金物の歴史と文化を伝える重要な役割を担っています。1976年の開館以来、数多くの来場者を受け入れ、三木市の魅力を発信し続けています。

展示内容：近世から現代までの大工道具の数々

館内には、近世から現代までの様々な大工道具が展示されています。それぞれの道具の精巧なつくりや、時代背景を反映したデザインは、来場者に日本の伝統技術の高さを改めて認識させます。展示は年代順に並べられているだけでなく、道具の種類や用途ごとに分類されているため、初心者でも理解しやすく、楽しく見学できます。解説パネルも充実しており、それぞれの道具の使用方法や歴史的背景に関する知識を深めることができます。

古式鍛錬場：伝統技術の継承

資料館の大きな特徴として、前庭にある古式鍛錬場が挙げられます。毎月第1日曜日（1月・5月・7月～9月を除く）には、三木金物古式鍛錬技術保存会による鍛冶の実演が行われ、来場者は伝統的な鍛冶の技術を間近で体験できます。こて、小刀、鑿、鋸、鉋など、様々な道具が鍛造される様子は迫力満点で、鍛冶職人たちの熟練の技に圧倒されることでしょう。実演は、単なる技術の披露だけでなく、日本の伝統文化の継承という重要な意味を持ちます。

「村のかじや」記念碑：郷愁を誘う歌碑

資料館の玄関前には、「村のかじや」の記念碑が建立されています。かつて学校の唱歌として親しまれた「村のかじや」は、1978年以降教科書から削除されましたが、その歌に込められた郷愁と伝統文化への思いを後世に伝えるため、この記念碑が建立されたのです。記念碑にはセンサー付きの自動演奏機が設置されており、ボタンを押すと懐かしい歌声が流れ、来場者の心に温かい響きを与えてくれます。

金物神社：鍛冶の祖神を祀る

資料館の敷地内には、1935年に創建された金物神社があります。鍛冶、製鋼、鋳物の祖神である天目一箇命、金山毘古命、伊斯許理度売命が祀られており、古くからこの地で栄えた金物産業の歴史と信仰を象徴する存在です。毎年11月第1土曜日には「ふいごの火入式」が行われ、伝統的な祭事が執り行われます。

利用情報

開館時間：午前10時～午後5時
休館日：月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始（12月29日～1月3日）
所在地：〒673-0432 兵庫県三木市上の丸町5番43号
アクセス：神戸電鉄粟生線三木上の丸駅より徒歩5分、神姫バス「上の丸」停留所より徒歩5分

三木市立金物資料館は、伝統技術の保存と伝承に力を入れた、貴重な博物館です。三木市の歴史と文化を深く理解したい方、日本の伝統技術に興味のある方にとって、必見のスポットと言えるでしょう。

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