三条公充

三条公充（さんじょう きんあつ）は、江戸時代中期に活躍した公卿です。左大臣を務めた三条実治を父に持ち、三条家24代当主として朝廷に仕えました。彼の足跡を辿ってみましょう。

出自と家督相続

公充は、公家の名門である三条家に生まれました。兄である公兼が突然官位を剥奪されたため、その跡を継いで三条家の当主となり、朝廷に出仕することになります。

官位の昇進

公充は、叙爵後、順調に昇進を重ねます。宝永2年（1705年）には従三位となり、公卿の列に加わりました。その後、権中納言や踏歌節会外弁といった要職を歴任し、着実にキャリアを積み重ねていきました。

権大納言への就任と辞職

享保2年（1717年）には、権大納言に任じられます。これは、公卿の中でも非常に高い位であり、公充の朝廷における地位が確立されたことを示しています。しかし、その2年後の享保4年（1719年）に、公充は権大納言を辞職します。その理由は定かではありませんが、当時の朝廷内部の複雑な事情や、公充自身の健康問題などが考えられます。

早世とその後

公充は、享保11年（1726年）に36歳という若さで亡くなりました。短い生涯でしたが、公卿として朝廷に貢献したことは確かです。彼の死後、三条家は甥にあたる実顕が相続しました。

系譜

父：三条実治（1651-1724）
母：不詳
妻：房 - 井伊直興娘
子女：女子（三条実顕室）

公充の生涯は、兄の不祥事による家督相続、順調な昇進、権大納言の辞職、そして早すぎる死という、波瀾に満ちたものでした。彼の短いながらも密度の濃い人生は、江戸時代中期の公家社会の一側面を映し出していると言えるでしょう。

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