三条実教

三条実教（さんじょう さねのり）

三条実教は、戦国時代の公家であり、内大臣を務めた正親町三条公兄の子として生まれました。

生涯

正親町三条家は三条家の分家にあたり、実教は当主である正親町三条公兄の子として誕生しました。母は加賀介藤原氏の娘（富樫氏とも言われる）です。

天文20年（1551年）、先代の当主であった三条公頼が、庇護を受けていた大内義隆と共に大寧寺の変で討たれました。実子がいなかった公頼の跡を継ぐ形で、実教は13歳という若さで三条家の家督を継承しました。官位は従四位上・左近衛中将にまで昇りましたが、16歳という若さで早世しました。

実教の死後、三条家は一時的に断絶しました。しかし、永禄12年（1569年）に、正親町三条家の分家である三条西家の当主・実枝の子である実綱が三条家を再興しました。

三条家の当主は、代々「公」と「実」の字を通字として交互に名付ける慣習がありました。しかし、実教の次の当主が「実綱」を名乗ったことは、実教が三条家の歴代当主として扱われなかったことを示唆しています。この措置が取られた理由は定かではありません。

江戸時代に入り、花園家を創始した花園公久と、小倉家を再興した小倉公根は、表向きは公兄の孫であり、実教の子であるとされました。しかし、両名とも実教の死後20年以上経った天正年間の生まれであり、実際には実教の子ではありません。公久・公根兄弟の実の父親は、正親町三条家の血縁者であると推測されていますが、その人物が誰であるかは不明です。

系譜

父：正親町三条公兄（1494年 - 1578年）
母：加賀介藤原某の娘
* 養父：三条公頼（1495年 - 1551年）

三条実教は、若くして家督を継ぎ、短命であったため、その生涯は謎に包まれています。しかし、彼の死後における三条家の動向は、当時の公家社会の複雑な事情を物語っています。

もう一度検索