小倉家

小倉家（おぐらけ）は、藤原北家閑院流の洞院家の庶流に当たる由緒ある公家、そして華族の家系です。公家としての家格は羽林家、華族としての家格は子爵家でした。

その歴史は鎌倉時代まで遡ります。太政大臣西園寺公経の子、左大臣洞院実雄の次男である権中納言小倉公雄を家祖とし、代々朝廷において重要な役割を担ってきました。しかし、戦国時代には一時断絶する時期もありましたが、権大納言四辻公遠の子である小倉季藤によって再興されました。江戸時代には150石の家禄を有していました。

江戸時代前期には、権大納言小倉実起が当主を務めました。実起の娘は霊元天皇の後宮に入り、第一皇子である一宮（済深入道親王）を生みました。当時は天皇の女御に皇子が存在しなかったため、一宮が皇位を継ぐ可能性がありました。しかし、その後、内大臣松木宗条の娘が五宮（東山天皇）を生んだことで、皇位継承は五宮へと移りました。一宮は天和元年（1681年）4月、大覚寺に入る事が決定されました。この決定に反発した実起は、一宮と共に引き籠もり、同年9月には共に蟄居を命じられ、10月22日には解官の上、佐渡へ流罪となりました（小倉事件）。この事件は、小倉家の歴史において大きな転換点となりました。

明治維新後、明治2年（1869年）の行政官達により公家と大名家が統合され華族制度が誕生すると、小倉家も公家として華族に列せられました。明治17年（1884年）7月7日の華族令施行により華族が五爵制になると、同8日、大納言直任の例がない旧堂上家として、小倉英季が子爵を授けられました。

英季は軍人としての道を歩み、陸軍歩兵大佐にまで昇進しました。歩兵連隊長として日清戦争、日露戦争に従軍し、戦功によって金鵄勲章功四級を受賞しました。予備役入り後は貴族院の子爵議員に当選し、政治面でも活躍しました。

小倉家は、公家から華族へと移り変わる激動の時代を生き抜き、朝廷や軍隊、そして政治と、様々な場面で活躍した家系と言えるでしょう。その歴史は、日本の近世から近代への変遷を象徴するものであり、貴重な歴史的遺産として後世に語り継がれるべきものです。系譜を辿ることで、小倉家の歴史における重要な出来事や人物像、そしてその時代背景をより深く理解することができます。彼らの生き様は、現代社会においても学ぶべき点が多く含まれていると言えるでしょう。

もう一度検索