三段空母

三段空母：ガミラス帝国の象徴的な宇宙空母

『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する三段空母は、ガミラス帝国を象徴する主力宇宙空母の一つです。その特徴的な三層構造の発着甲板から名付けられましたが、実際には艦体後部にもう一つ、さらにサブノズル上にも着艦甲板を有する複雑な構造をしています。松本零士氏と加藤直之氏によってデザインされた本艦は、シリーズを通して様々なバージョンが登場し、その姿や武装、そして活躍は時代と共に変化を遂げていきます。

デザインと構造

三段空母のデザインは、実在した多段式空母を参考に、艦前部に段違いの3つの発着甲板を配置。各甲板には白い中心線が引かれ、最上層甲板の左舷にはアングルド・デッキ（斜め離艦用飛行甲板）を備えています。しかし、設定資料の曖昧な点から、劇中では最上層甲板の一部が欠けたデザインで描かれることもありました。

艦橋は小型で右舷後部に配置され、左舷前部には迎撃レーダーが設置されています。推進ノズルは艦後部に大型のものが2基、艦底後部に小型のものが3基備え付けられています。艦載機はエレベーターで各甲板に運搬されますが、その数は作品によって異なっています。

武装は、舷側部に前方を指向した3連装フェーザー砲2基、後方を指向した同型砲2基、艦底部に前方へ向けた同型砲2基（計6基、18門）を装備。さらに、4連装対空パルスレーザー砲を舷側後部に8基（計32門）搭載しています。艦底部には着陸用の引き込み式ゴムタイヤの主脚も備えています。

松本零士氏によるラフデザインは3種類存在し、決定稿に至るまでの試行錯誤が伺えます。初期のデザイン案では、艦体構造や武装などが決定稿と大きく異なっていました。

シリーズ作品における登場と活躍

三段空母は、『宇宙戦艦ヤマト』第21話、22話で初登場。ドメル提督率いるガミラス艦隊の主力として、ヤマトと激戦を繰り広げます。その後もシリーズ各作品で、ガミラス帝国の主力空母として活躍します。

『宇宙戦艦ヤマト2』では、全長200メートル、全幅62.5メートル、自重48,000トンという諸元が設定され、武装や搭載機数も詳細に設定されました。デスラー艦からの脱出艇を収容するなど、重要な役割を果たします。

『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』では、デスラー残存艦隊として登場し、暗黒星団帝国との戦闘で損失を出します。

『宇宙戦艦ヤマトIII』では、過去の映像や回想シーンで登場します。

リメイクアニメにおける三段空母

リメイクアニメシリーズでは、「ガイペロン級多層式航宙母艦」という正式名称が与えられ、デザインと設定が変更されています。旧作との主な違いは、最下段の飛行甲板が艦尾の着艦用甲板と繋がって全通式になっている点です。4段の飛行甲板を持ち、上部3段を発艦専用、最下段を着艦専用として使い分けます。昇降機は3基で、発艦は電磁式カタパルト、着艦はトラクタービームで行います。構造上格納庫はなく、機体は各甲板上に繋留されています。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』では、「重武装ユニット」という追加装備が登場。三連装陽電子カノン砲塔や陽電子ビーム砲など、強力な武装を備え、火力が大幅に向上しています。

リメイク版では、『宇宙戦艦ヤマト2199』第18話で初登場。七色星団海戦では、バルグレイ、ランベア、シュデルグの3隻が登場し、ヤマトと激戦を繰り広げます。それぞれの艦は建造時期によって形状に差異があり、個性的な活躍を見せています。

その他

ゲーム作品にも多数登場し、その活躍ぶりは多岐に渡ります。また、『宇宙戦艦ヤマトIII』では、ガルマン・ガミラス帝国時代の発展型である新三段空母と二連三段空母の設定も存在しますが、劇中への登場は叶いませんでした。

三段空母は、その複雑な構造と個性的なデザイン、そしてシリーズ作品を通して描かれる数々の活躍によって、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』において重要な存在感を放ち続けています。

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