三河鉄道デワ1形電車

三河鉄道デワ1形電車

三河鉄道デワ1形電車は、三河鉄道が1927年に製造した電動貨車です。この電動貨車は、後に名古屋鉄道へ合併された際にデワ10形と改称されました。デワ1形は全長8,255mm、全幅1,956mm、全高3,799mm、そして自重は9.2トンを誇ります。運行方式は直流600Vの架空電車線方式で、2基の主電動機（SS-D-58、50PS）を持っています。

概要

この電車は2両存在し、主に岡崎市内線で運用されました。車体は木造で、2軸構造を持ち、ブレーキは手ブレーキと電気ブレーキの併用式でした。自動連結器を備えており、貨車を牽引するためにも利用されました。台車はブリル21-Eが使用され、軸配置はBです。また、歯車比は5.11に設定されています。貨物の最大積載量は5.0トンです。

沿革

デワ1形は岡崎電気軌道から発注されたもので、1928年には三河鉄道に納車され、「デワ1形（1・2）」の形式で運用が開始されました。その後、1941年に三河鉄道が名古屋鉄道に合併された際、デワ10形（11・12）と改番されました。この時期も岡崎市内線で運行されていました。

戦後には、運転台側面の窓が追加され、前照灯の位置も変更されるなど、いくつかの改造が施されました。デワ1形は、岡崎市内線での貨物輸送に加え、日清紡績戸崎工場への貨物輸送や、国鉄との貨車連絡など多様に活躍しましたが、最終的に貨物取扱いが廃止されると、資材運搬専任となりました。

1962年には、岡崎市内線が廃止されたことに伴い、この電動貨車も運行を終了し、廃車となりました。

参考文献

藤井建著『名鉄岡崎市内線　-岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング、2003年。ISBN 4-7770-5005-X。

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