三洋化成工業

三洋化成工業株式会社（Sanyo Chemical Industries, Ltd.）は、日本を代表する大手化学メーカーの一つです。同社は、界面活性剤や高吸水性樹脂を主要な製品群としており、これらの製品は様々な産業分野で広く利用されています。また、豊田通商株式会社および東レ株式会社の関連会社でもあります。

沿革

三洋化成工業の歴史は、1949年に「三洋油脂工業株式会社」として創業したことに始まります。事業の拡大に伴い、1960年には川崎工場が稼働を開始し、生産能力を強化しました。1963年には現在の社名である「三洋化成工業株式会社」に改称しています。

その後も積極的な事業展開を進め、1966年には海外企業との連携を強化しました。アボット・ラボラトリーズとの合弁で、現在のサンアプロ株式会社の前身となるサンアボット有限会社を設立。同年には、ノプコ・ケミカルとサンノプコ株式会社を設立しています。1968年には名古屋工場が新たに稼働し、生産体制をさらに拡充しました。同年には大阪証券取引所第2部および京都証券取引所（2001年廃止）への上場を果たし、企業としての認知度と信頼性を高めました。1973年には東京証券取引所第2部にも上場し、市場での存在感を増しています。1976年には鹿島工場を稼働させ、生産拠点をさらに分散・強化しました。そして1978年には、東京および大阪の両証券取引所市場第1部への指定替えを果たし、主要企業としての地位を確立しました。

1982年には日本石油化学とサンケミカル株式会社を共同で設立するなど、国内外のパートナーとの連携による事業領域の拡大を継続しました。1999年には衣浦分工場が稼働を開始し、生産体制の最適化を進めています。2001年には三菱化学（現在の三菱ケミカル）とサンダイヤポリマー株式会社を設立し、新たな事業分野へ参入しました。このサンダイヤポリマーは、2003年に中国に三大雅精細化学品（南通）有限公司を設立し、海外展開を推進しています。

研究開発体制の強化にも力を入れており、2008年には桂研究所が稼働を開始しました。

サンダイヤポリマーを巡る合弁事業は、後に大きな転機を迎えます。2013年3月、三菱化学との合弁事業解消に合意し、三菱化学が保有する株式のうち10%を追加で取得しました。同年9月には、三菱化学が保有していた残りの30%の株式を豊田通商が取得。これにより、サンダイヤポリマーは豊田通商との新たな合弁会社「SDPグローバル株式会社」として再出発することとなりました。

近年では、2020年10月21日に、2021年4月に予定していた日本触媒との経営統合計画を中止することを発表しました。これは、新型コロナウイルスの影響などによる事業環境の不確実性を考慮した判断でした。

主な拠点

同社は、本社・本社研究所を京都市東山区に置いています。研究開発の拠点は、京都市西京区の桂研究所があります。営業拠点は、東京支社（東京都港区）をはじめ、名古屋営業所（名古屋市中村区）、中国営業所（広島市南区）、西日本営業所（福岡市中央区）と全国に展開しています。生産拠点である工場は、名古屋工場（愛知県東海市）、衣浦工場（愛知県半田市）、鹿島工場（茨城県神栖市）、京都工場（京都市東山区）を有しています。これらの拠点を基盤に、多様な化学製品の研究開発、生産、販売活動を行っています。

もう一度検索