三浦村 (愛媛県)

三浦村（みうらむら）

概要

三浦村は、1955年（昭和30年）まで愛媛県南予地方の北宇和郡に存在した村です。蒋淵半島（別名：三浦半島）の基部東岸に位置する農漁村でした。現在は宇和島市の一部となっています。

地理

三浦村は、宇和島市の西部に位置し、蒋淵半島の付け根の東岸に広がっていました。北は宇和海に面し、東は宇和島市、南は山地を境に津島町、西は下波村と遊子村に隣接していました。宇和島市の中心部からは約15キロメートル離れています。

湾は奥深く入り込んでおり、波が穏やかなのが特徴です。背後の山は比較的緩やかで、中腹近くまで農地として利用されていました。

主な河川として豊浦川が流れています。

村名の由来

三浦村という名前は、戦国時代には既に使われていたことが確認されています。ただし、当時は蒋淵半島基部全域を指す総称として使われていたと考えられています。

歴史

藩政期

三浦村は、宇和島藩に属していました。田中家が庄屋としてこの地を治めていました。

明治以降

当初は宇和郡に属していましたが、明治11年に北宇和郡に編入されました。
明治22年の町村制施行時に、三浦村が正式に成立しました。
1894年（明治27年）には、役場が三浦東の豊浦に移転しました。
1955年（昭和30年）3月31日、高光村と同時に宇和島市に編入され、自治体としての三浦村は消滅しました。

三浦村の系譜

町村制施行以前は、東三浦と西三浦という二つの村が存在していました。これらの村が合併し、三浦村となりました。

その後、三浦村は宇和島市に編入され、宇和島市は周辺の町村との合併を繰り返し、現在の宇和島市に至っています。

地域

三浦村は、もともと三浦東と三浦西という二つの地域が明治の初めに統合されたものです。村が成立した際には大字は設けられませんでした。当初は三浦西の旧庄屋である田中家が役所として使用されましたが、後に三浦東の豊浦に役場が移されました。

宇和島市への編入後は、三浦東と三浦西がそれぞれ町名として使用されています。

尾崎鼻を境に東西に二つの入り江があり、西には安米、大内、尾崎の3つの集落が、東には豊浦、天満、船隠の3つの集落が存在します。

昭和25年の時点では、621世帯、人口3572人が暮らしていました。

産業

農業

三浦村では、半農半漁の生活が営まれていました。段々畑を利用して、米、麦、豆類、甘藷芋などが栽培されていました。近隣の村と比較すると、漁業の比重は低い傾向にありました。

昭和初期には養蚕が盛んに行われていましたが、戦後の食糧難の時代にほとんど消滅してしまいました。その代わりに、昭和30年代には大内地区を中心に柑橘栽培が導入されました。

漁業

伝統的に網元による鰯網漁が行われてきました。しかし、昭和30年代に入り、不漁のために廃業が進みました。その後、真珠や真珠母貝の養殖が導入され、主力産業へと変化しました。

交通

県道が海岸線に沿って通っています。無月トンネルが開通するなど、道路の改良が進み、交通条件は改善されています。

鉄道は存在しません。

民俗・文化

天満神社の祭礼が地域で大切にされています。
旧田中家には、村を治めていた庄屋の歴史を示す史料が残されています。

出身者

田中九信：旧庄屋・田中家出身で、医療の普及に尽力しました。

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

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