三玉大塚古墳

三玉大塚古墳

三玉大塚古墳（みたまおおつかこふん）は広島県三次市吉舎町に位置し、帆立貝形状を持つ古墳です。この古墳は広島県の指定史跡として重要な文化財に認定されています。古墳の築造は古墳時代中期の5世紀後半頃と推定されており、その歴史的な重要性から多くの研究が行われています。

概要

三玉大塚古墳は、馬洗川に向かって突き出す丘陵の頂上に築かれています。この場所の標高は280メートルで、比高は80メートルです。古墳は1903年に盗掘され、多くの副葬品が見つかりましたが、その後の調査で再び注目を浴びることになりました。1980年から1982年にかけて史跡として整備され、詳細な調査が行われました。

古墳の墳型は、前方部が短小な帆立貝形の前方後円形となっており、前方部分は北西を向いています。墳丘は3段に築かれ、その全長は41メートルと三次盆地では有数の大きさです。墳丘の外部では、帯状の葺石が見られるほか、円筒埴輪や形象埴輪（人物、馬、家などの形をしたもの）が発見されており、これによって当時の文化や生活様式を垣間見ることができます。また、周囲には幅約8メートルの溝と外堤が堀られています。

埋葬施設と副葬品

埋葬施設は後円部の頂部に位置し、竪穴式石室が設けられています。大部分は盗掘の影響で破壊されていますが石室は墳頂から2.7メートルの深さで見つかり、内部には鎹が使用された木棺があったことが示唆されます。出土した副葬品は非常に多岐にわたっており、2枚の銅鏡の他にも武器や甲冑、馬具などが見つかっています。

このような出土品の中には、特に朝鮮半島に由来する要素が含まれているため、古墳の被葬者がどのような地位を持っていたのか、そして当時の政権や文化とのつながりがあったのかを考察する上で重要な手がかりとなっています。

文化的意義

三玉大塚古墳はこの地域が古代における交通の要衝にあったことを示しています。三次盆地は、帆立貝形古墳が集中する地域として知られ、古墳の規模からもその重要性がうかがえます。地域の中央には水運との関連を示す埴輪が見つかっており、この古墳が古代における軍事的な意味合いを持っていたことを浮き彫りにしています。

史跡としての保存

三玉大塚古墳は1978年に広島県によって指定された史跡として、現在では整備され、訪れる人々にその歴史を伝える公園として公開されています。関連する出土品は東京国立博物館や広島県立歴史博物館、吉舎歴史民俗資料館などで保管されており、展示されています。これにより、訪問者は古墳の魅力をより深く理解することができます。

以上のように、三玉大塚古墳は古代の日本における重要な文化と歴史を示す遺跡であり、地域と国のつながりを探るための貴重な資源であることがわかります。

もう一度検索