三田光一

三田 光一の生涯と月の裏側の念写の真贋

三田光一（みた こういち、1885年 - 1943年）は、超能力者として名を馳せた日本の人物です。宮城県気仙沼市に生まれた彼は、福来友吉によって発掘された自称透視能力者の一人であり、御船千鶴子や長尾郁子、高橋貞子といった他の超能力者と共に活動していました。

特に彼が注目を集めたのは、1933年に岐阜市で行った「月の裏側の念写」です。この念写は、当時としては想像を絶する試みであり、三田は実際には見ることができなかった月の裏側を念じることで、写真として残したとされています。しかし、この念写の真贋については、長年にわたり多くの疑問が呈されてきました。

1931年6月24日と1933年11月12日、三田はこの月の裏側の念写に成功したとされますが、アポロ計画によるNASAの観察や画像との比較によって、その信憑性が問われることとなります。NASAが発表した月の裏側の写真と三田の念写した写真を並べてみると、驚くべき違いがあることが明らかになりました。具体的には、彼の写真には、月の裏側にはほとんど存在しない「海」を連想させる黒い部分が写り込んでいた上に、月よりも暗く見える星が、月と同じ明るさで写っていたのです。また、星々の配置が不規則でなく、まるで人の手によって描かれたかのような特徴も見られました。

さらに、三田の念写写真とNASAの探査機によって撮影された写真が一致したとする書籍も存在します。近藤千雄の著書『心霊科学本格入門』や1992年に放送された『ワンダーゾーン』では、この一致が取り上げられました。しかし、実際にはその「NASAの写真」というのは三田の念写写真そのものであり、公式のNASAの記録とは関連がないことが確認されています。

三田光一の人生と活動は、超能力や霊能力に興味を持つ人々の間で語り継がれています。彼の存在は、日本の超心理学や霊能力に関する研究において、重要な位置を占めています。また、彼をモデルにした川端康成の短編小説『金塊』も、三田の不思議な才能とその影響を物語っています。

一方で、超能力や霊能力の信憑性については、今もなお賛否が分かれるテーマです。三田光一の月の裏側の念写は、その一例であり、彼の名は今後もさまざまな議論の中で取り上げられることでしょう。

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