念写

念写とは

念写（ねんしゃ、英: thoughtography、projected thermography）とは、心の中で思い描いたビジョンを印画紙などに記録する現象を言います。この不可思議な現象は、超能力の一種として位置付けられ、多くの実験や考察がなされてきました。

概要

念写の最初の発見は1910年12月、日本の超能力研究者・福来友吉によるものとされています。彼は透視の実験中に、御船千鶴子や長尾郁子の協力のもと、実験を行いました。密閉された鉄製の容器内に写真用の乾板を置き、超能力者である三田光一が思いを念じることで、念写の画像を焼き付けたとされるのです。この発表は注目を集めましたが、実験の再現性や方法に関して否定的意見が多く、当時の学者からは受け入れられませんでした。

その後もさまざまな超能力者による念写の実験が行われましたが、多くは手品やトリックとみなされる結果に終わり、科学的根拠が求められ続けています。

エピソード

長尾郁子の「東京」

長尾郁子は、念写に関する疑念を晴らすため、1911年に「東京」という文字の念写を試みました。この実験では、白抜きの文字とそれに重なるように白い格子が写し出されました。福来は、文字が切り抜かれたものでないことを示すために格子を念写したと説明しましたが、外部からは文字を格子の上に置き、感光させたのではないかと疑う声が上がりました。

三田光一による月の裏側

1931年6月24日、福来の発案によって三田光一は、地球からは見ることのできない「月の裏側」を透視し念写したとされる実験を行いました。この実験では、結果が実際の月と一致するかを確認する手段がなかったため、その証拠は不明のままとなりました。しかし、後の宇宙探査の進展によって三田の念写と実際の月の裏側には大きな違いがあることが判明しました。1983年には一部で「一致している」とする主張もありましたが、それに対する科学的反論も存在しました。

清田益章のポラロイド実験

清田益章は未開封のポラロイドフィルムを使った実験を行い、特定の一枚に東京タワーの画像を念写したとされていますが、フジテレビの番組によりフィルムをすり替えるトリックが明らかとなりました。彼の成功事例は、後に他の技術により検証され、信憑性が問われるようになりました。

テッド・シリアス

1960年代、アメリカのシカゴでベルボーイとして働いていたテッド・シリアスは、その念写の能力で注目を集めました。彼は精神科医によって才能が認められましたが、プロの写真家や懐疑的な立場の人々からは、あくまでもマジシャンでありトリックを用いて他者を欺いているとされました。

まとめ

念写は、多くの興味と議論を呼ぶ現象です。超能力や心霊現象に関連する研究の中で、一部の実験は注目され続けており、科学界と超能力の交差点に立つ難解なテーマであると言えます。今後もさらなる研究や実験が期待される分野ですが、真実はまだ霧の中にあります。

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