三笠保存会

公益財団法人三笠保存会

公益財団法人三笠保存会は、神奈川県横須賀市に本部を置く日本の公益財団法人です。旧大日本帝国海軍の戦艦「三笠」の復元・保存を主要な目的とし、その活動を通じて国民の精神高揚に貢献することを目指しています。

概要

三笠保存会の前身は、大正14年（1925年）に設立された同名の財団法人です。しかし、昭和20年（1945年）の終戦時に一度解散しました。その後、昭和33年（1958年）に、戦艦三笠の保存を願う人々の熱意により再建されました。2012年4月1日には、公益法人制度改革に伴い、公益財団法人へと移行しています。移行前の主務官庁は防衛省でした。

組織運営には、元海上幕僚長の福地建夫氏や元横須賀地方総監の井上力氏など、防衛省・海上自衛隊のOBが役員として名を連ねています。2024年6月時点での会長は、三菱重工業元会長の大宮英明氏が務めています。

戦艦三笠

戦艦三笠は、日清戦争後、ロシア帝国に対抗するために日本海軍が策定した「六・六艦隊」計画に基づいて建造されました。この計画は、戦艦6隻と装甲巡洋艦6隻を新たに配備するというもので、三笠はその最終艦としてイギリスのヴィッカース社に発注され、竣工しました。

1900年11月に進水し、1902年3月に日本海軍に引き渡された三笠は、1903年に連合艦隊旗艦となり、日露戦争に参加しました。黄海海戦や日本海海戦といった重要な戦いに参戦し、日本の勝利に大きく貢献しました。しかし、1905年9月11日に事故により沈没し、一時予備艦となりますが、1908年には現役復帰を果たし、第一次世界大戦にも参戦しています。

戦後、ワシントン軍縮条約に基づき三笠は廃艦が決定しました。さらに、関東大震災によって浸水したため座礁させられるという困難に見舞われました。除籍後、三笠は解体される予定でしたが、国民の間から保存を求める声が高まり、大正14年（1925年）の閣議で記念艦として保存することが決定し、横須賀に保存されることになりました。

しかし、第二次世界大戦終結後の昭和20年（1945年）頃になると、ソ連からの撤去要求や連合国駐留軍による娯楽施設の建設などにより、兵装は撤去され、荒廃が進み、記念艦としての役割を十分に果たせない状態となっていました。この状況を憂慮したイギリス人のジョン・S・ルービン氏やチェスター・ニミッツ提督らの働きかけにより、復元保存運動が再び盛り上がりを見せました。その資金を募るために昭和33年（1958年）に三笠保存会が設立され、昭和35年には財団法人として認可されました。

現在、記念艦三笠は横須賀市の横須賀新港に面して展示されており、一般公開されています。訪れる人々は、その雄姿を間近に見学し、歴史の重みを感じることができます。

三笠保存会の活動

三笠保存会は、戦艦三笠の保存・管理だけでなく、次世代への歴史継承や国際交流にも力を入れています。具体的には、以下のような活動を行っています。

戦艦三笠の維持・管理: 定期的なメンテナンスや修繕を行い、戦艦三笠の良好な状態を維持しています。
展示・公開: 戦艦三笠を一般公開し、多くの人々に歴史に触れる機会を提供しています。
教育・啓発活動: 歴史講座や展示会などを開催し、戦艦三笠の歴史的意義や平和の尊さを伝えています。
国際交流: 海外の博物館や研究機関と連携し、戦艦三笠に関する情報交換や共同研究を行っています。

関連項目

日本海海戦記念式典

外部リンク

記念艦みかさ公式ホームページ（公益財団法人三笠保存会）

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