三草藩

三草藩の歴史と背景

三草藩（みくさはん）は、播磨国加東郡の周辺を領有していた譜代大名である一色丹羽氏の藩です。藩庁は三草陣屋（兵庫県加東市上三草）に置かれ、ここから藩の統治が行われました。

藩の成立と略史

三草藩の起源は元文4年（1739年）に遡ります。この年、越後国高柳藩主の丹羽薫は大坂における定番に任じられ、所領を河内国、播磨国、美作国に移しました。さらに延享3年（1746年）において、河内国の所領を播磨国内に移した際、三草に陣屋を設け、正式に三草藩が成立しました。

この一色丹羽氏は、戦国時代には織田家に仕えていた家系で、著名な重臣丹羽長秀とは異なる家系です。丹羽氏の先祖である丹羽氏次は、織田信長や信雄の家臣として仕官していましたが、小牧・長久手の戦い以前に徳川家康の下に仕官し、尾張の岩崎城主から美濃の岩村藩主に転封されました。後に御家騒動により越後高柳藩に移され、その後、三草藩に再度移封されました。

参勤交代と定府の大名

一色丹羽氏は高柳藩時代から参勤交代をしない定府の大名となりました。定府とは、藩主が一定の期間を藩内に居住することを定められた大名のことであり、これにより丹羽氏は安定した統治が可能となりました。また、藩の菩提寺である妙仙寺は、三草藩の領地にすでに存在していたため、その移転も行われました。

戊辰戦争とその後

慶応4年（1868年）には、戊辰戦争が勃発しましたが、三草藩は明治政府側に恭順する姿勢を示しました。このことで、明治新政府が成立した後も、三草藩としての地位を保ち続けました。しかし、明治4年（1871年）に、廃[[藩置県]]が実施され、三草県に改編されました。その後、姫路県や飾磨県を経て、最終的には兵庫県に組み込まれることとなりました。

藩主家の変遷

三草藩の藩主家である丹羽氏は、明治2年（1869年）に華族に列し、さらに明治17年（1884年）には子爵に昇格しました。藩主は、以下の人物が歴代で就任しました。

• - 藩主 丹羽薫
• - 藩主 丹羽氏栄
• - 藩主 丹羽氏福
• - 藩主 丹羽氏昭
• - 藩主 丹羽氏賢
• - 藩主 丹羽氏中

幕末の領地

三草藩の領地には、播磨国の他に美嚢郡、加東郡、多可郡、加西郡などが含まれ、具体的には美嚢郡の3村、加東郡の8村、多可郡の11村、加西郡の11村が藩の管轄下にありました。

このように、三草藩はその成立から廃藩まで、様々な歴史的出来事を経て変遷を遂げてきました。丹羽氏の所領の移転や藩体制の変化、また幕末の情勢においても、地域の歴史と運命に深く関わっていたことがわかります。

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