三菱・グランディス

グランディス（GRANDIS）

概要

グランディスは三菱自動車が製造した乗用車で、ミニバンとして登場し、後にSUVへと進化します。初代は2003年から2012年まで生産され、デザイン面では日本独特の美しさを反映した曲線を多く使用しました。デザイン開発にはオリビエ・ブーレイが関わり、色彩は藤の花をイメージしたミディアムパープルメタリックが選ばれました。

初代ミニバンの特徴

グランディスのエンジンはMIVEC（4G69型SOHC）を搭載し、これまでのシャリオグランディスとは異なる性能を提供。4WDシステムは「マルチセレクト4WD」を採用し、走行条件に応じてドライブモードを選べる機能がありました。また、環境性能では日本国内の3ナンバーサイズミニバンとして初めて超低排出ガス認定を受けました。

内装には革新的なタバコ臭を吸着する消臭加工が施されており、3列目の座席には床下収納機能が追加されました。顧客の選択肢を広げるため、エクステリアやインテリアのスタイルを自由に選べる「カスタマーフリーチョイス」も導入され、様々なニーズに応える設計がなされました。

販売と苦境

販売初期には月に3,000台の販売を目標としていましたが、競合の影響やデザインの好みの分かれ、さらにはリコール隠し問題も影響し、販売は期待通りには進みませんでした。最終的には日本市場での販売が2009年に終了し、シャリオから26年の歴史に幕を下ろしました。

燃料電池車プロジェクト

三菱自動車は2003年に燃料電池自動車を開発し、グランディスをベースにしたモデルを発表しましたが、重量や乗車定員の制限からプロジェクトは撤退を余儀なくされました。

SUVへの進化

2025年7月、三菱自動車は新たにSUVタイプのグランディスを披露する予定です。この新モデルは、ルノー・シンビオズを基にしたダイナミックシールドデザインが採用され、1.3Lのターボエンジン搭載のMHEVと2つのモーターを備えた1.8L自然吸気エンジンのHEVモデルが展開される予定です。従来のミニバンからSUVへの転換を経て、再びグランディスの名前が復活します。

製造と販売の歩み

初代グランディスは主に岡崎製作所や海外の工場で製造され、国内外で多くの顧客に支持されました。新たなSUVモデルも、ルノーとの協力により、販売戦略の強化を図るものと期待されています。日本市場での展開を終えた後も、海外での展開には力を入れ続けました。現行モデルもグローバル市場における競争力を維持するために、様々な改良が施されていることが分かります。

まとめ

グランディスはその歴史の中でミニバンからSUVへと変貌を遂げ、環境意識の高まりに応える形で新たなモデルが登場します。三菱自動車の進化の一環として、これからの展開に期待が寄せられています。

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