三菱・コルディア

三菱コルディア：短命ながら個性際立ったクーペ

三菱コルディアは、1982年から1987年まで三菱自動車によって製造販売された2ドアクーペです。ベース車両は実用的なハッチバックとして人気を博したミラージュですが、コルディアはファストバックスタイルを採用し、スポーティな個性を強調したモデルとして登場しました。

開発と販売戦略

コルディアは、同じプラットフォームを用いた4ドアノッチバックセダン、トレディアと同時に発表されました。販売チャネルは、三菱の販売網であるカープラザ店では「コルディアXP」、ギャラン店では「コルディアXG」として販売されましたが、販売開始から約1年半後には、両モデルは統合され「コルディア」の名称に一本化されました。XPとXGではフロントマスクのデザインが異なり、XPはグリルレス風のデザインが特徴でした。

メカニズムとバリエーション

搭載エンジンは直列4気筒SOHCキャブレター仕様のガソリンエンジンで、排気量は1600ccと1800ccが用意されました。1800ccモデルには、ターボチャージャー搭載モデルもラインアップ。ターボ車は4速マニュアルトランスミッションにスーパーシフトと呼ばれる副変速機を組み合わせ、他のグレードには3速オートマチックトランスミッションも選択可能でした。特に、1600GSR-Sグレードには、世界初の液晶式デジタルメーターが採用されるなど、先進的な技術も取り入れられていました。

マイナーチェンジと販売終了

1983年にはマイナーチェンジを実施。ターボモデルのエンジンは、電子制御式燃料噴射（ECI）化された1800ccエンジンに換装され、「エレクトロジェットターボ」として販売されました。この際に、ボンネット上のエアスクープが廃止され、フロントマスクもXGタイプに統一されました。さらに、1984年にはパートタイム4WDの1800ccターボモデルを追加する一方、FFモデルと1600ccモデルは廃止されました。1987年末に生産を終了し、1988年1月には国内販売を終了。その後も在庫販売は継続されましたが、1990年には海外販売も終了し、コルディアの生産は完全に終了しました。

国内外での評価

日本国内では販売面で苦戦しましたが、北米やオーストラリア、南アフリカなど海外市場では、特にパートタイム4WDのハイパワーターボモデルは一定の評価を得ていました。南アフリカでは1990年まで販売されていた記録が残っています。輸出仕様では、国内仕様と同じ排気量のエンジンに加え、2000ccエンジンも設定されていました。また、輸出向けG62Bターボエンジンには、国内仕様よりも大型のターボチャージャーが使用されており、高い過給圧が特徴でした。

名前の由来

コルディアの名前は、「輝く、軽快な」という意味を持つ英単語「CORUSCATE」と、三菱グループのスリーダイヤ（ダイヤモンド）を組み合わせた合成語です。

後継車

コルディアの事実上の後継車は、三菱エクリプスです。コルディアという車名は、このモデルで一度限り使用されました。

まとめ

販売期間は短かったものの、スポーティなデザインと走りを両立したコルディアは、三菱自動車の歴史において、個性的なクーペとして記憶されています。その存在は、日本の自動車史における重要な1ページを刻んでいると言えるでしょう。

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