三菱・コルト

コルト（COLT）

コルトは三菱自動車工業が製造・販売していたコンパクトカーで、初代は2002年から2013年までの間、日本国内および欧州市場で展開されました。名前の由来は英語で「仔馬」を意味し、三菱自動車にとって象徴的な車名の復活ともいえるものでした。

初代（Z21/23A型）

コルトの開発は三菱自動車とダイムラー・クライスラーによって行われ、2002年に正式に車名が決まりました。プラットフォームを共有する姉妹車として、ダイムラー製の「スマート・フォーフォー」があり、これらはオランダのネッドカーで生産されました。コルトが特徴的だったのは、「カスタマーフリーチョイス」という顧客が細かく装備を選択できる仕組みを採用したことでした。

初代コルトは2002年11月に販売を開始し、同年のグッドデザイン賞を受賞しましたが、当初の販売計画は競争の激しさから苦戦を強いられることとなります。特にホンダ・フィットなど強力なライバルの存在が影響しました。また、オリビエ・ブーレイによる独特なフロントデザインが賛否を呼び、後に日本仕様の一部ではマイナーチェンジでデザインが変更されました。

2009年からは環境対応車普及促進税制や低価格モデルの導入により販売が回復し、多くの特別仕様車も登場しました。これらのモデルには、機能性を重視した「Bloom Edition」や上質な内装を持つ「Clean Air Edition」があり、各年ごとに新しい魅力を追加していきました。

年表

• - 2002年11月: 販売開始。
• - 2003年: 特別仕様車「Bloom Edition」や「DVD Navi Edition」などが登場。
• - 2004年: 大幅なマイナーチェンジが実施され、「RALLIART」モデルも追加。
• - 2006年: 欧州でクーペカブリオレ（コルトCZC）を発表。
• - 2013年1月: 日本国内向け販売が終了。

2代目

2023年には2代目となるモデルが発表され、欧州市場での販売が予定されています。この新しいモデルでは、ルノーからのOEM供給を受けており、5代目クリオを基にしたデザインコンセプトが採用されています。パワートレインにはハイブリッドモデルやターボエンジンなど、3つのバリエーションが用意されています。

生産工場

コルトは日本国内向けは愛知県岡崎市の工場で生産され、欧州向けはオランダのネッドカーで生産されました。また、コルトCZCはイタリアのピニンファリーナで製造されました。さらに、派生車としてコルトプラスやコルトEVが存在し、それぞれの市場で異なる需要に応えています。

コルトは優れたデザインと多様な装備から、モデルの歴史を通じて多くのユーザーに愛され続けてきました。三菱自動車にとって、コルトは重要なブランドの一部であり、今後の展開にも期待が寄せられています。

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