三菱・デリカD:5

デリカD:5：三菱自動車の挑戦と進化を体現するSUVミニバン

デリカD:5は、三菱自動車工業が製造・販売するSUVとミニバンの要素を融合させた乗用車です。同社が誇るオフロード性能と、家族向けの広い室内空間を両立させた、世界でも類を見ないオールラウンダーミニバンというコンセプトで開発されました。

堅牢なボディと信頼性の高いメカニズム

デリカD:5のボディは、三菱独自のGSプラットフォームをベースに設計されています。オフロード走行にも耐えうる高い剛性を実現するため、リブボーンフレーム構造と大型クロスメンバーを採用。さらに、低床設計により、安定した走行性と乗り心地の良さを両立させています。2007年度の自動車アセスメントでは、最高評価である6スターを獲得しており、その高い安全性も証明されています。

多様なニーズに応えるエンジンバリエーション

発売当初は、2.4Lガソリンエンジン（4B12型）と4WDの組み合わせのみでしたが、その後、燃費性能に優れた2Lガソリンエンジン（4B11型、4J11型）や、ミニバン初となるクリーンディーゼルエンジン（4N14型）が追加されました。トランスミッションも、当初はINVECS-II 6速ATでしたが、マイナーチェンジを経て8速ATへと進化しました。これらのエンジンバリエーションとトランスミッションの組み合わせにより、ユーザーの多様なニーズに応えることが可能です。

悪路走破性と快適性を両立する走りの性能

デリカD:5のサスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リアにトレーリングアーム式マルチリンクを採用。トレッドの拡大により、操縦安定性と乗り心地、そして旋回性能が向上しています。四輪駆動システムは、電子制御式4WDを採用。2WD、4WDオート、4WDロックの3つのモードを切り替えることができ、路面状況に応じて最適な走行状態を選択できます。ただし、歴代デリカの機械式ローギアには劣るものの、日常からアウトドアまで幅広く対応できる性能を有しています。

多彩なグレードと特別仕様車

デリカD:5は、長年に渡り、数多くのグレードや特別仕様車が設定されてきました。標準グレードに加え、「ROADEST」のようなエアロパーツを装着したスポーティなモデルや、「CHAMONIX」「JASPER」といった季節感を取り入れた特別仕様車、そして「ACTIVE GEAR」「URBAN GEAR」といった個性的なモデルがラインアップされています。これらのモデルは、それぞれ異なるデザインや装備を備えており、ユーザーの好みに合わせた選択が可能です。 各特別仕様車は、専用デザインのホイールや内装、そして専用装備などを備え、標準グレードとは一線を画す魅力を持っています。

デリカD:5の歴史：数々の改良と進化

2005年の東京モーターショーでコンセプトカー「Concept-D:5」が発表されて以来、デリカD:5は、度重なるマイナーチェンジや改良を経て進化を遂げてきました。燃費性能の向上、安全性能の強化、そして先進運転支援システムの搭載など、時代のニーズに合わせて常に改良が加えられてきました。また、2019年にはビッグマイナーチェンジを行い、デザイン、装備、エンジン、トランスミッションなど、大幅な刷新が行われました。生産拠点もパジェロ製造から岡崎工場へと移管されました。

デリカシリーズにおける位置づけとネーミング

「デリカ」という名称は「Delivery Car」の略で、D:5はデリカシリーズの5代目モデルを意味します。また、デリカD:2の登場により、デリカシリーズにおけるフラッグシップモデルとしての役割も担っています。今後、三菱のミニバンシリーズは「デリカ○○」というネーミングで統一される予定です。各グレード名にも、カジュアルさを強調した「C2」や、オンロード性能の良さを示唆する「ROADEST」など、それぞれのモデルの個性を表すネーミングが用いられています。特別仕様車の名称にも、シャモニーやジャスパー国立公園といった地名が用いられており、それらに関連するイメージを想起させる工夫が凝らされています。

結論

デリカD:5は、高い信頼性と多様な機能、そして個性的なデザインを兼ね備えた、まさに「オールラウンダーミニバン」と言える一台です。長年の歴史の中で培われた三菱自動車の技術と、常に進化を続ける姿勢が、このモデルに集約されています。

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