三菱・ランサー

ランサー (LANCER)

ランサーは、1973年に三菱自動車工業によって初めて市場に登場した普通自動車であり、多岐にわたるモデル展開を持つセダンです。この車両は、1973年から2010年まで、日本国内外で販売され、その間に多くのバリエーションを生み出しました。ランサーシリーズは、セダンが中心ですが、ハッチバックやステーションワゴンもラインナップされています。

発売の背景と概要

コルト1200の販売終了に伴うラインナップの空白を埋めるため、ランサーは1973年に誕生しました。当初はFR（後輪駆動）のボディタイプで、4ドアと2ドアのセダンが主なモデルでした。その後、モデルの進化に伴い、FF（前輪駆動）へと変更されました。

特に初代と2代目のランサーEXは、ラリー競技に積極的に参戦し、その高い走行性能から「小型車の王者」としての地位を確立しました。これにより、海外市場でも高い評価を受け、三菱自動車のスモールセダンの主力となりました。

モデルの進化

初代 (1973年 - 1979年)

初代ランサーは、1973年2月に発売され、駆動方式はFR。エンジンは1,200cc、1,400cc、1,600ccを用意し、グレードには1200STD、1200EL、1600GSLなどがありました。

その後、1974年にはテールランプデザインの変更や新グレードの追加が行われ、多くのマイナーチェンジが施されました。1977年には、排出ガス規制に対応するためエンジンの改善が行われ、より清浄な運転が可能になりました。

2代目 (1979年 - 1987年)

2代目のランサーEXは、イタリア人デザイナーの協力によって新たなスタイリングが施され、ターボエンジン搭載モデルも登場しました。1980年から1982年にかけては、エンジンアラインメントに大きな改良が行われ、モータースポーツでも名を馳せる存在に成長しました。

3代目 (1988年 - 1991年)

3代目は、ランサーEXとランサーフィオーレが統合されたモデルで、ボディスタイルは5ドアハッチバックのみとなりました。高性能モデル「GSR」が設定され、全高を強調したデザインが特徴でした。

4代目 (1991年 - 1995年)

4代目はミラージュと姉妹車の関係を強化し、新たに搭載されたV6エンジンは注目されました。その後、この世代からはランサーエボリューションが誕生することになります。

5代目 (1995年 - 2000年)

5代目ではコストダウンが進み、ミラージュとの共通化が進行。外見やエンジンのアウトプットに若干の変更が加えられ、スポーティーなデザインが強調されました。

6代目 (2000年 - 2010年)

6代目は「ランサーセディア」としても知られ、さまざまなエンジンオプションを持つことでユーザーの選択肢を拡大しました。さらに、教習車用の仕様もラインナップに加えられ、実用性を重視した設計が印象的でした。2010年には日本国内での生産が終了し、37年にわたる歴史に幕を下ろしました。

7代目 (2007年 - 2020年)

最終的に、7代目は国外市場にて更新されていくことが決定し、特に台湾などで「グランドランサー」としての名が引き継がれています。

車名の由来

ランサーの名称は英語での「槍騎兵」を意味し、2代目の「EX」は「超越」という意味の「EXCEED」から名づけられています。この車は、さまざまなモデルを通じて、日本自動車の歴史において重要な位置を占めています。

このように、ランサーは進化を続ける中で多くのファンを獲得し、三菱自動車の象徴的な車両となったのです。

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