三菱・レグナム

三菱 レグナム：スポーティなステーションワゴン

三菱レグナムは、1996年から2002年まで三菱自動車が製造・販売していたステーションワゴンです。8代目ギャランのステーションワゴン版として開発され、当時人気を博していたスバル・レガシィツーリングワゴンをライバル視して作られました。そのスタイリッシュなデザインと優れた走行性能から、1996年には日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど高い評価を獲得しました。

デザインとスタイリング

レグナムは、精悍な逆スラントノーズを採用したフロントマスクが特徴的です。リアスタイルもまとまりのあるデザインで、全体としてスポーティで洗練された印象を与えます。ボディは、ボンネット、グリル、リアデザインで前期型と後期型に大別でき、グレードによってエアロパーツや内装（本革仕様など）に違いがありました。特に、フロントグリル上部が前方に突き出しているデザインから、「ガンダムルック」と呼ばれることもありました。これは、ベースとなったギャラン/アスパイアにも共通する特徴です。

走行性能

レグナムは、4輪マルチリンク式サスペンションを採用することで、優れた直進安定性と旋回性能を実現していました。また、ベース車両であるギャランよりも車高が30mm高く（ルーフレール装着車）、リアオーバーハングも延長されているため、広いラゲッジスペースを確保していました。オプションとして、セルフレベリングサスペンションや、当時日本初だったサイドエアバッグなども用意され、安全性にも配慮されていました。

エンジンとグレード

レグナムには、様々なエンジンが搭載されました。直列4気筒1.8L GDI、V型6気筒2.0L、2.5L、そして2.5Lターボなど、幅広いバリエーションが用意されていました。後に、直列4気筒2.0L GDIと2.4L GDIにエンジンが変更されました。フラッグシップモデルであるVR-4には、6A13型エンジンをDOHC24バルブヘッド化＆ツインターボチャージャー化したエンジンを搭載し、後期型ATでは280psという高出力を実現しました。特に、4G93型エンジンは、世界初の超希薄燃焼を可能にしたガソリン直噴GDIとして高い技術力を誇り、1996年のニューテクノロジー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。グレードは、ST、ST-R、VIENTO、VR-4などがあり、それぞれに装備や仕様が異なっていました。VR-4 type-Sには、AYC（アクティブ・ヨー・コントロール）やアクティブ・スタビリティ・コントロールシステム＆トラクションコントロールシステムを標準装備するなど、高い走行性能を誇っていました。限定車として、VR-4 type-Sをベースにした「スーパーVR-4」も販売されました。

販売と生産終了

日本国内では三菱自動車販売のギャラン店とカープラザ店で販売されましたが、「ギャラン」の名称は使用されていませんでした。北米と大洋州には「ギャランエステート」、欧州には「ギャラン・コンビ」として輸出され、特に北米では一定の販売実績がありました。2002年8月に生産が終了し、その後は在庫販売のみとなりました。2002年12月には、後継車種である2代目ランサーワゴン（ランサーセディアワゴン）に統合される形で販売が終了しました。輸出向けの生産と販売は、それぞれ2005年6月と2006年12月に終了しています。

まとめ

レグナムは、スポーティなデザイン、優れた走行性能、そして先進的な技術を搭載した魅力的なステーションワゴンでした。日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞という実績も、その高い評価を物語っています。 レグナムは、三菱自動車の歴史において重要なモデルの一つと言えるでしょう。車名である「レグナム」は、ラテン語で「王権」「王位」を意味します。その名の通り、当時、ステーションワゴン市場において、一定の地位を築いたと言えるでしょう。

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