三菱・2G10

三菱・2G10エンジンの概要

三菱・2G10は、三菱自動車工業によって生産された水冷2ストローク直列2気筒のガソリンエンジンであり、軽自動車向けに設計されています。1968年に初代ミニカ（後期型・LA23）に初めて搭載され、その後さまざまなモデルに使用されました。このエンジンは、鋳鉄製のシリンダーブロックとクランクケースを備えており、当初使用されていた空冷のME24型エンジンを置き換えるか、補完する形で開発されました。

開発背景と命名規則

1967年に三菱車内のエンジン命名規則が改訂され、その結果として新たに割り振られた系列番号により、2G10という名称が付けられました。この名称は、2気筒のガソリンエンジンの第一世代を示し、0はその系統の最初のエンジンを指しています。また、この型式にはハイフンと数字が付加される場合もあり、これによって様々なバリエーションが存在していたことが示されています。

技術的特性と特徴

2G10型エンジンは、公式な愛称こそ存在しなかったものの、搭載車両に応じてエアクリーナーボックスの色が異なるために「レッドエンジン」や「ゴールドエンジン」といったニックネームが付けられました。これにより、同エンジンが搭載されるモデルの個性が際立ちました。

車両との搭載実績

2G10型エンジンは初代ミニカに始まって、1969年から1976年にかけてさらなるモデルに搭載されました。具体的には、1969年から1976年にかけてのミニカA101型（および派生モデル）、1971年から1972年のミニカスキッパーA101型、そして1972年から1976年にかけてのミニキャブW T131型などが挙げられます。

後継エンジンとその影響

1972年には、2G10型の4ストローク版である2G2系エンジンが登場し、自動車の排出ガス規制が厳格化されたのを受け、軽自動車向けの新たなエンジンとして展開されました。この4ストロークエンジンは、三菱クリーンエアシステム（MCA）の核心部分として位置付けられましたが、1976年1月に軽自動車の規格が550ccに拡大されるまでは、依然として2G10型エンジンが手頃なグレードのエンジンとして製造され続けました。

まとめ

三菱・2G10エンジンは、1968年から1976年にかけて製造された軽自動車用のエンジンで、そのシンプルな構造と効率性から多くのモデルに搭載されました。自動車業界の規制や技術の進展に応じて、後継エンジンへと役割を引き継ぎながらも、長い間その存在感を示し続けました。

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