三菱・2G2系エンジン

三菱・2G2系エンジンの詳細

三菱・2G2系エンジンは、三菱自動車工業が開発し提供した水冷直列2気筒のガソリンエンジンシリーズです。このエンジンは軽自動車に搭載され、特に「バルカンエンジン(Vulcan Engine)」と呼ばれており、マツダ・ポーターキャブの550ccモデルにも使用されていました。このエンジンシリーズは、同社の2G1系エンジンの4ストローク版として位置付けられています。

基本設計と特徴

2G2系エンジンの多くはSOHC（シングルオーバーヘッドカムシャフト）を採用し、各気筒に2バルブ（吸気1、排気1）を持つ設計が特徴です。すべてのモデルには無印バルカンを除いてサイレントシャフトが搭載されており、エンジンの安定性と静音性が向上しています。初期型ではカムシャフトにタイミングチェーンが用いられていましたが、のちのG23B型ではタイミングベルトに変更されました。さらに、このエンジンシリーズは、後期型にはターボエンジンや空冷式インタークーラーターボエンジンが追加され、さらなる性能向上が図られました。

エンジンのバリエーション

2G21（無印バルカン）

1972年から1974年にかけて製造されたこのモデルは、初期に搭載されたエンジンで、サイレントシャフトは未搭載でしたが、MCAシステムを導入し排ガス規制をクリアしています。最大出力はシングルキャブで32 PS（24 kW）、ツインキャブ仕様では36 PS（26 kW）を達成しました。

2G21（バルカンS）

1974年にはサイレントシャフトを初搭載し、MCA-IIシステムを採用したバルカンSが登場しました。このエンジンは、最大出力は30 PS（22 kW）で、ミニカF4の後期モデルに採用されました。

2G22（ニューバルカンS）

1976年から1977年まで製造されたこのエンジンは、軽自動車の排気量規制の改正に伴い登場しましたが、開発が間に合わず暫定的な排気量のエンジンです。この型は、最大出力が30 PS（22 kW）で、軽自動車の搭載に対応しています。

2G23（ニューバルカンS）

1977年から1984年にかけて製造され、現行の軽自動車規格に完全に適合したこのエンジンは、日常的な性能が向上した新たなバージョンです。

G23B（バルカンⅡ）

1983年にターボエンジンが登場し、さらなるパフォーマンス向上が図られました。最大出力は39 PS（29 kW）を発揮し、特にターボ仕様が人気を博しました。

G23BT（インタークーラーターボ）

1984年にデビューし、空冷式インタークーラーを搭載したこのエンジンは、他モデルと同様に高出力を実現しました。

その他のバリエーション

国外市場向けに開発された2G24および2G25は、それぞれ634ccと783ccの排気量を持つエンジンで、タイミングチェーン及びタイミングベルトを採用し、輸出専用のモデルに搭載されました。

まとめ

3G8系エンジンの登場まで、2G2系エンジンは技術的な進化を遂げるとともに、軽自動車の市場で高い評価を得ることとなりました。このエンジンシリーズは、三菱自動車の軽自動車において重要な役割を果たし、今なお多くのファンに支持されています。

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