三菱・4G3系・6G3系エンジン

三菱・4G3系・6G3系エンジン

三菱自動車工業が1969年から1999年まで製造していた4G3系および6G3系エンジンは、広い排気量を持つ直列ガソリンエンジンで構成され、特にラリーやスポーツカーの分野での活躍が注目されています。このエンジンシリーズは、1.2 Lから1.8 Lの直列4気筒エンジン（4G3系）、および2.0 Lの直列6気筒エンジン（6G34）で構成されています。通称「サターンエンジン」とも呼ばれ、一部のバリエーションは高いパフォーマンスを発揮しました。

構造

このエンジンは三菱が初めて採用したOHC（オーバーヘッドカムシャフト）機構を持ち、4ストロークエンジンとして設計されています。頑丈なアルミ合金製ヘッドと鋳鉄製シリンダーブロックの組み合わせにより、高い耐久性と信頼性を誇ります。当初はタイミングチェーンを用いてカムシャフトを駆動していましたが、後にいくつかのモデルはタイミングベルトやサイレントシャフトを導入しています。

エンジンのラインナップ

このシリーズのエンジンにはさまざまなバリエーションがあります。

• - 4G30

- 排気量: 1.3 L (1,289 cc)
- 最大出力: 87 PS / 6,300 rpm
- 初搭載車種: コルトギャラン（初代）

• - 4G31

- シングルキャブレター
- 排気量: 1.5 L (1,499 cc)
- 最大出力: 95 PS / 6,300 rpm
- 初搭載車種: コルトギャラン（初代）

• - 4G32

- 簡易版とDOHC版が存在
- 排気量: 1.6 L (1,597 cc)
- 最大出力: 125 PS（DOHC版）
- 初搭載車種: ギャランGTO・MR

• - 6G34（サターン6）

- 排気量: 2.0 L (1,944 cc)
- 最大出力: 130 PS
- 初搭載車種: デボネア（初代）

各エンジンは、使用する排気量やキャブレターの種類によって異なる最大出力とトルク特性を持っています。これにより、多様な車両に搭載され、それぞれで優れた性能を発揮しました。たとえば、4G32エンジンは当時の小型スポーツカーにおいて高い評価を受け、特にラリー競技においては成功を収めました。

技術の進化

4G3系及び6G3系エンジンは、三菱自動車が発展させてきた技術の証です。これらのエンジンは、国内外での厳しいラリー競技や、一般ユーザー向けの多くの車種に使用され、高い耐久性と性能を示しました。特に、エンジンの設計や構造は、競技用車両としての特性に合わせて進化を遂げ、常に市場のニーズに応える存在であり続けました。

まとめ

三菱の4G3系および6G3系エンジンは、日本のモータースポーツ史において重要な位置を占めるものであり、その技術的革新と多様性は現在も多くのエンジンファンや自動車愛好者に支持されています。今後もこれらのエンジンが与えた影響や成果は、次世代の技術開発に活かされることでしょう。

もう一度検索