三菱・4G4系エンジン

三菱・4G4系エンジンの概要

三菱自動車工業が1971年から1979年にかけて製造した4G4系エンジンは、1.2Lから1.4Lの小排気量を持つ直列4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、通称「ネプチューンエンジン」としても知られています。バルブ駆動方式としては全てOHV（オーバーヘッドバルブ）が採用されていましたが、昭和54年の排出ガス規制をクリアできず、最終的に4G1系エンジン（通称オリオンエンジン）が後継として登場しました。

エンジンの設計と特徴

4G4系エンジンは、三菱自動車が展開していたコルトの各モデルや初代デリカ、ジープなどの小型車両に採用されることを目的に開発されました。先代のKE型4気筒エンジンシリーズの進化版であり、特にクランクシャフトの設計においては大きな改良が施されました。これにより、このエンジンは高回転域でもしっかりと耐えることができるように設計されています。

特に、4G4系エンジンではトヨタのK型エンジンや日産のA型エンジンに見られるハイマウントカムシャフトとショートプッシュロッドが導入され、構造的な強化が図られました。従来の3ベアリング式から5ベアリング化されており、全体的な耐久性が向上しています。加えて、このエンジンは商用車用として三菱重工業向けに開発されましたが、コスト回収の目的から一部の車両にも搭載されるようになりました。

仕様と性能

4G4系エンジンは4ストロークの直列型で、シリンダー数は4つ、弁機構にはOHVを採用し、各シリンダーには吸気1個、排気1個の合計2バルブが設けられています。冷却方式は水冷で、エンジン出力はモデルによって異なります。具体的には、4G41（ネプチューン86）は1378ccの排気量を持ち、最高出力は86ps（63kw）に達します。他にも、1975年の改良により出力が82psに向上したモデルや、1977年に改良されたモデルが存在します。

4G42（ネプチューン70）は1187ccで最高出力は70ps（51kw）で、ランサーやデリカ1200シリーズに搭載されるなど、様々な車種に利用されました。

自動車への搭載例

この4G4系エンジンは、デリカ75シリーズを初めに、コルトギャランやデリカ1400シリーズ、さらにはギャランクーペFTOなど多くのモデルに搭載されました。特にデリカのシリーズでは、軽自動車から商用車まで幅広い選択肢がありました。また、このエンジンは三菱自動車の自動車用ガソリンエンジンとしては最後のOHVエンジンだったため、特に重要な存在でした。

結論

4G4系エンジンは三菱自動車工業において、同社が製造したエンジンの中でも特に影響力がありました。性能や構造、さらには様々な車種に搭載されながら、時代の変化に合わせた進化を続けてきたこのエンジンは、自動車技術の発展に寄与し続けています。

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