三菱・GTO

GTO（ジーティーオー）とは

GTO（ジーティーオー）は、三菱自動車工業によって製造されたスポーツクーペであり、そのデザインや性能は多くの自動車ファンを魅了しました。この車は、1989年の東京モーターショーで「三菱・HSX」として紹介され、1990年10月に市販される運びとなりました。キャッチコピーには「スポーツは、ライバルがいるから、面白い。」や「あなたのスポーツは、面白いですか。」が掲げられ、このモデルのスポーツカーとしてのアイデンティティを強調していました。

GTOは日本国内では全てのグレードが4WDで、北米市場向けにはFFタイプも存在しました。特に北米での位置付けはGTカーとして重視されており、パフォーマンス重視のエンジン設定が整えられました。ベースとなるディアマンテのエンジンは、GTO用に調整されており、高いトルクを実現。外観はコークボトルラインという独特のスタイリングがあり、エアダムなどのデザイン要素も相まって、当時のモデルとしては特異な存在感を放っていました。

車両仕様と特徴

GTOはその設計において、バブル経済時代の意欲的な装備を多数備えていました。特に注目すべきは、アルミ製の4ポット異径対向ピストンブレーキキャリパーや、ドイツ・ゲトラグ社製の5速MT（中期型以降は6速）の採用、さらには高張力鋼製のドライブシャフトです。加えて、ツインターボ搭載モデルにおいてはスイッチで排気音を変えられるアクティブエグゾーストシステム、可変リアスポイラー、アクティブエアロシステムなど、多彩な技術が盛り込まれました。

さらに、GTOは日本国内や北米向けに「3000GT」という名称で販売され、最高出力は320PSに達するVR-4や、電動格納式ハードトップを持つ3000GTスパイダーも存在しました。これにより、多くのドライバーに様々な選択肢を提供していたのです。

生産と改良

初代GTOは1990年から2001年まで生産され、多くのマイナーチェンジが行われました。特に1992年のマイナーチェンジでは、17インチのホイールと電動格納式ドアミラーの採用が実施されるなど、時代に合った改良が施されました。1993年にはビッグマイナーチェンジがあり、エンジン出力の向上や新しいヘッドライトデザインが導入されました。これにより、モデルの魅力はさらに高まりました。西暦1998年には最後のビッグマイナーチェンジが行われており、全体的に車重が軽量化されるなど、パフォーマンスが一層向上しました。

パトカーとしての使用

GTOは高速道路でのパトカーとしても採用され、Mr型が国費で導入されました。特に特徴的なのは、そのスタイリッシュなデザインであり、ドアミラー仕様が採用されたのはGTOのMRが初となります。これらのパトカーは稀少であり、一部は現在もイベント展示用として存在しています。

ダッジ・ステルス

GTOはクライスラー向けにOEM供給され、1991年にはダッジから「ステルス」として販売が開始されました。GTOとは異なるデザインアイデンティティが特徴で、特にフロントバンパーやリアテールランプが大きく変更されました。GTOと同様に、ステルスもいくつかのグレード展開がされており、エンジン仕様や装備の面で微細な違いがありました。残念ながら、ステルスは1996年に生産を終了し、1997年には販売も終わりました。

車名の由来

この車名はイタリア語の「Gran Turismo Omologato」に由来し、モータースポーツ界でのGTカテゴリに公認された車を指しています。GTOは、三菱自動車がモータースポーツへの情熱を反映させた象徴でもあります。各世代にわたる改良や技術革新を通じて、GTOは多くの自動車ファンに影響を与え続けています。

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