三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所

名古屋誘導推進システム製作所の概要

三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所（以下、「名誘」）は、愛知県小牧市に位置し、三菱重工業の製造拠点の一つです。この工場は、名古屋航空機製作所小牧北工場を前身としており、現在は主にミサイルや航空宇宙エンジン、さらには制御機器の開発と製造を担っています。また、名古屋航空宇宙システム製作所とともに、三菱重工業の航空宇宙事業本部を形成している重要な一翼を担っています。

沿革

名誘の歴史は1920年に始まり、当時の三菱内燃機製造株式会社名古屋工場として開設されました。これを皮切りに、様々な名称変更を経て、1934年には三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所として新たに組織されました。1945年の財閥解体によって、三菱重工業は分割され、1956年には名古屋航空機製作所として独立しました。1972年には小牧北工場が開設され、1989年に名古屋誘導推進システム製作所としての現在の形態に至ります。

製品群

名誘では、さまざまなミサイルが生産されています。地対空ミサイル、空対空ミサイル、対艦ミサイルや対潜ミサイルなど、多岐にわたる軍事製品を手掛けており、特に下記の代表的な製品が知られています。

• - 地対空ミサイル

- MIM-14 ナイキJ（ライセンス生産）
- PAC-2、PAC-3（ペトリオット）

• - 空対空ミサイル

- AIM-9B/E/P/L/M（サイドワインダー）
- 90式空対空誘導弾 AAM-3

• - 対艦ミサイル

- 80式空対艦誘導弾 ASM-1
- 93式空対艦誘導弾 ASM-2

これに加えて、航空機用エンジンや特殊な工業機械も製造しており、JT8Dターボファンエンジンのような商品は、ボーイング747や767といった大規模な航空機に搭載されています。

施設と関連会社

名誘の本工場は382,000m²の広さを持ち、開発、製造、修理を行っています。また、関連施設として、秋田県大館市にある田代試験場も重要で、こちらは燃焼試験を行うための専用施設です。この施設は1,176,000m²という広大な敷地を誇ります。さらに、名誘にはいくつかの関連会社が存在し、例えばMHIロジテックやMHIエアロエンジンサービスなどがあります。

結論

名古屋誘導推進システム製作所は、航空宇宙関連の産業において欠かせない存在であり、日本の防衛および宇宙開発のための重要な製品を提供しています。長い歴史を持つこの工場は、今後も技術革新を続け、航空宇宙の未来を支える役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索