三輪村 (愛知県北設楽郡)

愛知県北設楽郡に位置していた三輪村（みわむら）は、昭和の大合併期に廃止された村です。

宇連川（豊川の支流）沿いの地域に広がり、その歴史を閉じました。現在の愛知県新城市の北東部と北設楽郡東栄町の南西部にあたる地域です。

歴史

江戸時代、この一帯は三河国設楽郡に属し、天領や寺社領として管理されていました。明治時代に入り、行政区画の再編が進みます。

1878年（明治11年）7月22日には、郡区町村編制法が施行され、従来の設楽郡は南設楽郡と北設楽郡に分割されました。同じ明治11年には、村の統合も行われています。川合村と宇連村が合併して新たな川合村となり、池場村と畑村が合併して長岡村が誕生しました。

そして、1889年（明治22年）10月1日、町村制の施行に伴い、奈根村、川合村、長岡村が合併して三輪村が発足しました。

三輪村の歴史は、昭和の時代に転機を迎えます。1956年（昭和31年）7月1日、いわゆる「昭和の大合併」により三輪村は分割されることになります。村域のうち、大字奈根の全域と大字長岡の一部が北設楽郡東栄町に編入され、東栄町の大字三輪となりました。一方、大字川合の全域と大字長岡の残りの一部は南設楽郡鳳来町（後の新城市）に編入され、それぞれ鳳来町の大字川合、大字池場となりました。

このように、三輪村は単独での存続を終え、その領域は現在の東栄町と新城市に引き継がれています。

現在の地名

旧三輪村の村域は、現在、以下の地名として残っています。

北設楽郡東栄町大字三輪
新城市川合
新城市池場

教育機関

村にはかつて複数の教育機関が存在しましたが、町村合併やその後の統廃合により姿を変えています。

三輪村立三輪中学校：後に東栄町立東栄中学校に統合されました。
三輪村立奈根小学校：後に東栄町立東栄小学校に統合されました。
三輪村立川合小学校：1973年には鳳来町立名号小学校を統合し、鳳来町立鳳来東小学校（現在の新城市立鳳来東小学校）となりました。
三輪村立池場小学校：1962年に鳳来町立川合小学校に統合されました。

このほか、川合保育園という認可保育所があり、これは後の鳳来町域において最も早く開設された保育園の一つでした。

公共交通機関

村域には、当時国鉄飯田線が通っており、以下の駅が利用できました。

三河川合駅
池場駅
三河長岡駅（現在の東栄駅）

名所

村域内には、自然景観として知られる乳岩峡がありました（現在、新城市川合に位置）。

三輪村は、短い期間ながらも地域の中心として機能し、その行政区画は消滅しましたが、地域の歴史や文化は現在の新城市と東栄町に受け継がれています。

もう一度検索