三辺長治

三辺 長治（みなべ ちょうじ）

三辺長治（みなべちょうじ）は、日本の内務官僚として知られ、1886年12月23日に富山県で生まれ、1958年4月27日にその生涯を終えました。彼は官選府県知事として主に山梨県、徳島県、岡山県などの行政に携わり、また東京市助役も務めました。

経歴

三辺は富山中学を経て、第四高等学校及び東京帝国大学法科大学法律学科を卒業します。在学中から彼の行政に対する興味は強く、1911年に内務省に入り、埼玉県の属としてキャリアをスタートさせました。文官高等試験に合格した後、警保局に配属されると、行政の様々な分野で多岐にわたり活躍することになります。

彼は1914年に愛媛県の視学官としての地位を得た後、大阪府や内務省地方局でも重要な役割を担い、特に市町村及び都市の行政についての経験を積んでいきました。1925年には29歳で山梨県知事に任命され、全国最年少の知事となりました。この時期に彼は郡役所制度の廃止に伴い、県が町村の直接的な指導監督を行う体制を整え、町村自治の刷新に尽力しました。

彼の任期中には、山梨県庁の改築計画や、蚕糸界の管理の見直しに着手し、新たに蚕糸課を設けて蚕糸行政の改革を進めました。これらの改革には内務本省での研究が大きな影響を与えたとされています。

また、三辺は地方自治体の選挙法改正にも貢献し、円滑な選挙の実施に向けた準備を行いました。彼の行政手腕は多くの支持を受け、非常に評価されました。

その後、彼は内務省の土木局長、宮城県知事、愛知県知事と転任を重ね、最終的に文部次官に就任。1937年から1939年まで東京市の助役としても活躍しました。

晩年

1941年1月には大阪府知事にもなり、1943年までこの地位にありましたが、戦後は公職追放の憂き目に遭います。しかし、1951年にその追放が解除されると、全国土地収用連絡協議会長や東京都世田谷区の富山県人会会長としてその活動を再開しました。

栄典

三辺長治は1921年に第一回国勢調査記念章を受章しており、これも彼の功績の一つとされています。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
• - 『山梨縣政五十年誌』山梨縣編、昭和17年。
• - 『山梨百科事典』増補改訂版、山梨日日新聞社、1989年。

彼の多岐にわたる実績と公共行政に対する貢献は、その後の日本の行政の発展にも影響を与えるものとなりました。

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