三遊亭生之助

三遊亭生之助（さんゆうてい しょうのすけ）は、昭和から平成にかけて活躍した日本の落語家です。本名を布施 吉英といい、1935年8月22日に東京都足立区に生まれました。落語協会に所属し、出囃子には「いやとび」を用いていました。同い年の落語家には、元兄弟子にあたる春風亭一柳師匠がいます（一柳師匠は10月12日生まれ）。

彼の芸の道の始まりは、蓮田中学校を卒業した後のことです。1959年2月、当時の落語界を代表する大名人、六代目三遊亭圓生に弟子入りしました。前座として名乗ったのは「六生」という名前でした。この前座名から生まれた「六ちゃん」という愛称は、落語家人生の晩年に至るまで、彼を呼ぶ親しみやすい名前として定着しました。

順調に修業を重ね、1962年5月には、橘家三蔵師匠とともに二ツ目への昇進を果たします。この時、前座名の六生から「生之助」と改名しました。そして、入門からおよそ14年を経た1973年9月、ついに真打へと昇進します。この時の真打昇進者は非常に多く、林家木久蔵師匠（現在の林家木久扇）、三遊亭好生師匠（後の九代目三遊亭好太郎）、桂文平師匠、四代目三遊亭歌笑師匠、そして橘家三蔵師匠ら、彼を含めた総勢10名という異例の合同真打昇進でした。

その後、落語家としての活動を続けていましたが、1978年5月には、師匠である六代目圓生の落語協会脱退に同行する形で、自身も落語協会を離れました。この出来事は当時の落語界に大きな波紋を投げかけましたが、三遊亭生之助師匠は、師匠の死去を経て、1980年2月1日には落語協会への復帰を果たしています。

生涯にわたり高座を務め続け、最後の寄席での高座となったのは、2009年2月21日の新宿末広亭でした。この約3ヶ月後の2009年5月22日、肝不全のため東京都豊島区内の病院で逝去しました。享年73歳でした。

三遊亭生之助師匠が得意とした、あるいはよく演じた噺としては、「一眼国」「がまの油」「鼠穴」「質屋庫」「試し酒」などが知られています。

以下に、彼の芸歴をまとめます。

1959年2月：六代目三遊亭圓生に入門。前座名「六生」。
1962年5月：二ツ目に昇進。「生之助」と改名。
* 1973年9月：真打に昇進。

このように、三遊亭生之助師匠は、圓生門下の一員として、激動の時期も経験しながら、落語家としての道を歩み続けました。

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