三重県水産研究所

三重県水産研究所について

三重県水産研究所は、水産業に関する研究と指導を行うことを目的として設立された三重県立の研究所です。本所は志摩市にあり、鈴鹿市と尾鷲市にも研究室を構えています。1899年に「三重県水産試験場」として発足して以来、三重県の水産業の発展に大きく貢献してきました。

歴史

研究所の歴史は、1899年5月2日に三重県庁内に設置された「三重県水産試験場」に遡ります。その後、同年中に志摩郡浜島村（現在の志摩市）に移転し、イセエビの人工孵化や遠洋カツオ漁の研究で大きな成果を上げました。

戦時中には海軍に接収された時期もありましたが、戦後、業務を再開。その後も、組織の改編や研究施設の拡充を経て、現在の三重県水産研究所に至ります。創立から100年を迎えた1999年には、内水面水産試験場を伊勢湾分場に統合しました。また、2008年には現在の名称である「三重県水産研究所」に改称しています。

組織

研究所の長は所長であり、2009年時点では紀平正人が務めていました。組織は、本所の企画調整課、水産資源育成研究課、資源開発管理研究課、水圏環境研究課に加え、鈴鹿水産研究室、尾鷲水産研究室で構成されています。

• - 本所：三重県志摩市浜島町浜島3564-3
• - 鈴鹿水産研究室：三重県鈴鹿市白子一丁目6277-4
• - 尾鷲水産研究室：三重県尾鷲市天満浦215-2

主な業績

三重県水産研究所は、長年にわたり水産業の発展に貢献する多くの研究成果を上げています。主な業績として以下のものが挙げられます。

イセエビ幼生の完全飼育: 1988年、世界で初めてイセエビの人工孵化に成功しました。これは、58年間にわたる研究の末に達成された偉業であり、現在では量産に向けた研究が進められています。
アコヤガイの研究: 三重県にとって重要な真珠養殖に関する研究も、研究所の重要なテーマです。品種改良により、真珠層の色から将来の真珠の色を予測できるまでになりました。
カラーでの海況データの公開: 1999年より、人工衛星NOAAから受信した海面水温データをインターネットで公開しています。漁業関係者にとって貴重な情報源となっており、予想を上回る利用があります。
カツオ漁業: 遠洋カツオ漁業についても研究を行っており、地域経済に大きく貢献しています。

現在の主要研究対象生物

現在の主要な研究対象生物については、具体的な記述がないため、詳細は不明です。しかし、上記のような業績から、イセエビ、アコヤガイ、カツオなどが重要な研究対象であることがわかります。

特筆すべき点

三重県水産研究所は、水産試験場としては珍しく、全国で唯一獣医師を配属させています。これは、水産生物の健康管理や疾病対策に力を入れていることの表れと言えるでしょう。

まとめ

三重県水産研究所は、三重県の水産業を支える重要な研究機関です。イセエビの人工孵化成功をはじめ、真珠養殖や海況データ公開など、多岐にわたる分野で大きな成果を上げてきました。今後も、水産業の発展と地域社会の活性化に貢献していくことが期待されます。

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